2008 Fiscal Year Annual Research Report
増殖性網膜硝子体疾患の病態解明ならびに新規治療薬開発
Project/Area Number |
19592026
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
畑 快右 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (90346776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 達朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30150428)
後藤 純信 国際医療福祉大学, 保健学部, 准教授 (30336028)
園田 康平 九州大学, 大学病院, 講師 (10294943)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 増殖硝子体網膜症 / 硝子体細胞 / TGF-β / Rho / ROCK / スタチン / 瘢痕収縮 |
Research Abstract |
目覚ましい眼科手術の進歩にもかかわらず、進行した糖尿病網膜症や増殖硝子体網膜症のような眼内増殖性疾患は手術をもってしても悪化を繰り返し、最終的には著しい視力低下を残してしまう症例が少なくない。この病態として鍵を握るのが、眼内に形成される増殖膜の瘢痕収縮によって引き起こされる牽引性網膜剥離である。本研究では、増殖膜の瘢痕収縮を抑制することで、眼内増殖性疾患の悪化を食い止めることができるのではないかと考え検討を行った。 今回の研究では、眼内増殖性疾患においては硝子体中の形質転換増殖因子(transforming growth factor-β2; TGF-β2)の濃度が有意に上昇しており、増殖膜瘢痕収縮において主要な働きをしていることを明らかにした。さらにTGF-β2による増殖膜の瘢痕収縮は選択的ROCK阻害剤であるfasudilによって制御可能であることを示した。 また、 HMG-CoA還元酵素阻害剤であるスタチンは高脂血症治療薬として広く使われているが、近年、 Rho/ROCK経路を阻害し、多面的な作用を持つことが報告されてきている。今回、スタチンがRho/ROCK経路を阻害することでTGF-β2依存性の硝子体細胞を包埋したコラーゲンゲル収縮(in vitro瘢痕収縮モデル)を抑制しうることを確認した。加えて、スタチンは実際に眼内増殖性疾患の患者から得られた硝子体液刺激によるコラーゲンゲル収縮も有意に抑制した。 最後に、ウサギを用いたin vivoの増殖硝子体網膜症モデルにおいてもfasudilおよびスタチンは明らかな毒性を示すことなく病態の進行を抑制した。すなわち、これらの薬剤を用いた新規薬物療法の可能性を見出した。
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Research Products
(5 results)