2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミッドカインとヘパリン結合性生理活性因子群による眼疾患の生理的・病的意義の解析
Project/Area Number |
19592027
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
行徳 雄二 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (10420639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲谷 大 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (40335245)
谷原 秀信 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60217148)
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Keywords | 眼科学 / 生理活性因子 / ミッドカイン / ストレス / 神経・組織保護 / プロテオーム |
Research Abstract |
平成19年度は眼疾患および病的モデル眼でのミッドカインの同定・発現の解析を行った。 1)眼疾患におけるミッドカイン分子の同定 手術中に採取した前房水・硝子体中のミッドカイン分子の同定をウェスタンブロット法により検討した。白内障の前房水中、増殖疾患ではない黄斑円孔、網膜上膜などの硝子体液中からはミッドカインの同定は出来ていない。同様に現在までに増殖性糖尿病網膜症の硝子体液中でも同定は出来ていない。術中採取のサンプルでは希釈されている可能性もあり、今後は症例数を増やし解析を続けて行く予定である。 2)in vivoでの病的モデル眼の作成とミッドカイン分子の発現 ミッドカインは従来神経保護作用があることが知られているが、近年血管新生における機能が、特にVEGFの拮抗分子となることが報告されている。マウス眼に網脈絡膜光凝固を行いレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを作製、経時的に全眼球、網膜、脈絡膜を採取し、ミッドカインの発現をウェスタンブロットにて確認した。ミッドカインの発現は網膜組織にて照射1日目より増加し、3日目にピークとなり7日目までに漸減していた。しかし、脈絡膜組織中での発現は何れの時点でも確認出来なかった。また相同分子であるプレイオトロフィンの発現は網膜・脈絡膜どちらでも確認出来なかった。ミッドカインの網膜神経保護的な機能と共に、脈絡膜新生血管の発生にも作用する可能性が示唆された。
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