2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592034
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横井 則彦 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 准教授 (60191491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 諭 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347458)
松田 彰 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00312348)
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Keywords | 涙腺 / 移植・再生医療 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 生理学 |
Research Abstract |
涙腺から分泌された涙液は、涙液層を形成して眼表面を平滑に被覆して光学面を形成し、視機能の健常性に寄与している。そこで、角膜上の涙液油層を指標とした涙液評価法を開発した。涙液油層は開瞼直後に眼表面を上方へ伸展することが知られている。そこで、涙液油層の伸展挙動が、涙液量の影響を受けるか否かを、健常眼と涙液減少型ドライアイの22例29眼を対象に検討した。涙液量は、涙液メニスカス曲率半径(R)をメニスコメトリー法で測定して評価し、油層の伸展挙動は、涙液油層観察装置(DR-1)を用いて観察、記録後、伸展油層の高さの平均値(H)を求めて、瞬目後の経過時間(t)との関係を解析した。その結果、伸展油層のH(t)(開瞼後t時における油層の平均伸展高)はレオロジーのVoigtモデルで表せる{H(t)-H(0)=ρ[1-exp(-t/λ)](ρ=定数、λ=緩和時間)}こと、および、油層の伸展初測度H'(0)とRとの間に有意な相関(r=0.573)があることが明らかにした。以上の結果は、涙液油層が粘弾性体である可能性、ならびに、油層の伸展初速度が角膜上の涙液の量的指標になる可能性を示すものであり、cross-correlation法を用いた油層伸展の自動測定法も開発した。また、この結果から、涙液減少と蒸発亢進の性格を併せ持つhybrid formのドライアイを提唱し、その理論モデルを確立した。これらの測定原理、機器はドライアイの臨床データの蓄積のあるヒトでまず検証することとしたため、現時点ではヒトないし比較的大型動物専用であるが、今後はマウスなどの小動物における涙液検査に使用できるように改良する予定である。
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Research Products
(4 results)