2007 Fiscal Year Annual Research Report
Smadリンカー領域リン酸化の上皮-間葉系移行と線維化での役割の研究
Project/Area Number |
19592036
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
雑賀 司珠也 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (40254544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 一雄 大阪市立大学, 医学部・大学院, 准教授 (80275247)
山中 修 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50254545)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50264891)
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Keywords | Smad / リン酸化 / ミドルリンカー領域 / 網膜色素上皮細胞 / 水晶体上皮細胞 / ウエスタンブロット / 免疫組織化学 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
in vitroの研究では、(1)培養網膜色素上皮細胞株ARPE-19とマウス水晶体上皮細胞株a-TN4において、TGFβ1添加時のSmad2およびSmad3のC末端とミドルリンカー領域のリン酸化の時間経過をウエスタンブロットと免疫組織化学で検討した。その結果、C末端と平行してミドルリンカー領域のリン酸化が起こることが確認できた。しかし、C末端のリン酸化と異なり、平常でもミドルリンカー領域のリン酸化が起こっている可能性が示唆された。(2)TGFβによるSmadミドルリンカー領域のリン酸化に対するMAPキナーゼ阻害薬U0126またはPD98059、JNK阻害薬JNK inhibitor 1(CALBIOCHEM:#420116)、p38MAPキナーゼ阻害薬SB202190またはSB203580の影響を検討した。その結果、これらの細胞では、おもにMAPキナーゼがミドルリンカー領域のリン酸化に関与しているが、p38とJNKの関与は少ないことが証明された。C末端のリン酸化にはこれらのシグナル伝達経路は関与していないことが示唆された。免疫組織学的に、臨床材料の後発白内障組織で上皮-間葉系移行を起こした水晶体上皮細胞では、C末端よりも長期にミドルリンカー領域のリン酸化が起こっていることを免疫組織化学で検出できた。C末端リン酸化は、完全に平滑筋アクチン陽性の筋線維芽細胞様に変化した水晶体上皮細胞では陽性度は低かった。マウス色素上皮由来因子遺伝子を発現するアデノウイルスベクターが作成され、ARPE-19細胞での発現がreal-time RT-PCRとウエスタンブロットで確認でき、in vivoでは、マウス角膜線維化モデルでTGFb/Smadシグナルの抑制効果による抗線維化効果の可能性が免疫組織化学、real-time RT-PCRで示唆された。
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Research Products
(7 results)