2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性ぶどう膜炎における補助シグナル分子の機能解析と臨床応用に向けた展開
Project/Area Number |
19592040
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
秋葉 久弥 Juntendo University, 医学部, 准教授 (60338316)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 嘉彦 東京医科大学, 医学部, 助教 (50408142)
|
Keywords | 実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎 / OX40-OX40L / 補助シグナル分子 |
Research Abstract |
補助シグナル分子は、T細胞の活性化と機能に重要な役割を担っており、これらの分子機能を人為的にコントロールすることによって、難治性ぶどう膜網膜炎の発症機序の解明や発症制御、治療へとつながるものと考えている。本研究は、補助シグナル分子に特異的に結合して機能惹起あるいは機能阻害するモノクローナル抗体(mAb)を作製し、実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)マウスに投与して治癒効果を検討することを目的としている。OX40-OX40L結合を阻害することが可能なanti-OX40L mAbをEAU誘導のインダクションフェーズ(IF)、エフェクターフェーズ(EF)に分けて投与した結果、IF時投与では発症が増悪、Th1タイプサイトカインの産生増強が認められた。またOX40に刺激を加えることができるanti-OX40 mAbをIF時に投与した結果、発症抑制、Th1タイプサイトカインの産生抑制が認められた。このことから初期のT細胞活性化に、OX40-OX40LはTh2細胞誘導に重要な分子であり、通常、EAUの発症抑制に働いていることが示唆された。一方、anti-OX40L mAbをEF時に投与した結果、IF時投与と同様に発症増悪ではなく、発症抑制が認められた。このことからOX40は、初期のT細胞活性化・分化誘導時にはTh2誘導に働きTh1を抑制、一度活性化された後のエフェクターT細胞では、その効果機能を発揮させる分子として機能することが示唆された。従って、すでにぶどう膜網膜炎を発症してしまった患者さんへの治療を考えた場合、anti-OX40L mAbの投与は発症抑制に効果が期待できる。 また当初の研究計画通り、B7-H3,TIM-4に対するmAbの作製も終え、現在EAUマウスに投与して、これらの分子とEAU発症メカニズムとの関連の検討を行っている。
|