2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性ぶどう膜炎に対する神経ペプチド遺伝子導入ヒト免疫制御細胞の開発
Project/Area Number |
19592041
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
毛塚 剛司 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (00287137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 大 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40260939)
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Keywords | CGRP / 遺伝子導入細胞 / 難治性ぶどう膜炎 / 難治性視神経炎 / 制御性細胞 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
平成19年度に引き続き、難治性ぶどう膜炎患者由来樹状細胞およびマクロファージを用いた神経ペプチド(CGRP)遺伝子の導入と、その免疫学的プロファイルの解析を行った。19年度のヒト単核球に対するCGRP遺伝子の導入を参考に遺伝子導入細胞を作成したところ、健常者から得られた単核球同様、遺伝子導入細胞からのCGRP産生が40-60pg/mlであった。計画では、単核球から樹状細胞、マクロファージを単離する予定であったが、手技が繁雑になり、死細胞も出現したため、単核球を用いて計画を遂行している。また、難治性ぶどう膜炎患者と同時にインフォームドコンセントの得られた視神経炎患者から同様に単核球を採取してCGRP遺伝子導入を行った。難治性ぶどう膜炎を持つベーチェット病患者から得られたCGRP遺伝子導入細胞をConAで刺激して培養上清中のサイトカインをFACSを用いたCBAキットでみたところ、TNF-alpha,IL-6,IFN-gamma,IL-2,IL-10,IL-4ともに対照群と比べて有意差を見いだせなかった。一方、難治性視神経炎患者から得られたCGRP遺伝子導入細胞をConAで刺激して培養上清中のサイトカインをみたところ、TNF-alpha,IL-6は対照群に比べて有意に低下しており、IL-2,IL-4、IFN-gamma、IL-10は検出限界ぎりぎりで特に有意差を認めなかった。CGRP刺激樹状細胞表面分子で免疫調節に関与する接着分子(B7-1,B7-2分子)をFACS解析の手法を用い検討したが、有意な結果が得られなかった。これらのことから、正常細胞を用いたCGRP遺伝子導入実験では、抑制性サイトカインを産生する細胞を作成できるが、難治性ぶどう膜炎を併発したべーチェット病患者由来の細胞では、免疫制御細胞を誘導することができなかった。一方、難治性視神経炎患者由来の細胞では、免疫制御細胞を誘導したため、今後の難治性視神経炎患者の治療に有効であるこが示唆された。
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Research Products
(8 results)