2007 Fiscal Year Annual Research Report
眼組織移植における新規の免疫補助シグナル分子の機能解析とその臨床応用にむけた展開
Project/Area Number |
19592044
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
堀 純子 Nippon Medical School, 医学部, 准教授 (60251279)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 由紀 日本医科大学, 医学部, 助教 (30360176)
王 明聡 日本医科大学, 医学部, ポストドクター (90445825)
|
Keywords | 移植免疫 / 免疫抑制 / 制御性T細胞 / 角膜移植 / 拒絶反応 / ACAID / GITR / GITR-L / immune privilege |
Research Abstract |
目的:眼組織移植後拒絶反応の自動制御における制御性T細胞(Treg)とGlucocorticoid-Induced TNF Receptor Ligand(GITRL)/GITRシグナル経路の役割を知ること。 方法:マウス正常眼と角膜移植眼におけるGITRLの発現と、眼内浸潤CD4+T細胞におけるGITRとFoxp3の発現を免疫蛍光法で解析した。アロ脾細胞前房接種後の前房関連免疫偏位(ACAID)誘導モデルと角膜アロ移植モデルに、GITRL抗体、GITR抗体、isotype抗体を腹腔内投与し、ACAID誘導と移植片生着を検討した。また、C57BL/6マウスの正常角膜を抗GITRL抗体または対称rat IgGで前処運した後、マウスの脾臓CD4陽性T細胞と共培養し、T細胞におけるFoxp3発現の変化と、角膜内皮細胞障害を解析した。 結果:GITRLは正常角膜内皮細胞と虹彩毛様体に恒性発現していた。In vivoでのGITRL抗体とGITR抗体の投与ははいずれもACAID誘導に影響しなかったが、移植角膜の生着を対照より有意に短縮させた。移植角膜内のGITR+CD4+T細胞は、対照の生着角膜内ではFoxp3陽性であったのに対し、GITRL抗体投与によりFoxp3陰性となった。In vitroでは、GITRL阻害角膜との共培養後と比較して、GITRL陽性角膜との共培養後に、T細胞のFoxp3発現は増強した。抗原特異的反応性T細胞と非特異的活性化T細胞のいずれによる角膜内皮細胞障害も、GITRL陽性角膜と比較してGITRL阻害角膜において有意に強かった。 結論)角膜に恒性発現するGITRLを介して眼局所でTregが誘導される。この局所誘導型のTregは活性化T細胞による角膜内皮細胞障害を抑制して前眼部の恒常性を保持し、移植片生着を維持する。
|
Research Products
(23 results)