2008 Fiscal Year Annual Research Report
siRNA及びアンチセンスオリゴヌクレオチドの視神経変性疾患への適応
Project/Area Number |
19592045
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
上野 聰樹 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 教授 (20109010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10367352)
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Keywords | siRNA / オリゴヌクレオチド / 視神経 / 緑内障 / TNF-α / オリゴデンドロサイト / NMDA / エンドセリン |
Research Abstract |
TNF-α誘発視神経障害、エンドセリン誘発網膜視神経障害、NMDA誘発網膜障害に関わる分子生物学的出来事を視神経、網膜別に検討してきた。昨年度はsiRNAの浸透度に関して、まず硝子体注射で検討し、網膜神経節細胞の中に入ることを確認した(BrainRes,2007)。更にこれまでにsiRNAを球後注射して、視神経への浸透度を評価してきた。アテロコラーゲン等を用いていろいろ試みたが、やはり球後注射されたcy3-labeled siRNAを視神経内で検出することが困難であった。そこで硝子体注射で視神経に存在する因子に影響を与えることができるかどうかを検討した。TNF-α誘発視神経障害においてデコイオリゴヌクレオチドを用いてその効果を検討した。まずTNF-α硝子体注射により、視神経において内因性のp-CREBとBDNFが一過性に上昇することを確認した。CRE decoyオリゴヌクレオチドはp-CREBがCRE領域に結合するのを阻害する。このオリゴヌクレオチドにより、TNF-αによる内因性のBDNF上昇は有意に抑制された。オリゴヌクレオチド単独では視神経軸索に変化は認めなかったが、TNF-αと組み合わせることで、TNF-αによる軸索数減少は有意に増強された。このことより一過性内因性p-CREBおよびBDNFの上昇は、内因性の保護機構であることが示唆された。p-CREBもBDNFもその局在は、視神経軸索ではなく、むしろオリゴデンドロサイトであったため、硝子体注射されたオリゴヌクレオチドが視神経に働きかけていることが考えられた。
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Research Products
(7 results)