2008 Fiscal Year Annual Research Report
網膜移植再生のためのES細胞由来幼若視細胞及びホスト網膜の移植条件の詳細な検討
Project/Area Number |
19592049
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
万代 道子 The Institute of Physical and Chemical Research, 網膜再生医療研究チーム, 研究員 (80263086)
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Keywords | レクチン / Nrl / 移植環境 |
Research Abstract |
1)移植細胞の選別方法の検討:移植細胞の選別について、前年度までにレクチンカクテルを用いてRxのマーカー遺伝子導入細胞における分化効率と遜色のない視細胞分化を得るプロトコールを確立した。しかし、最終的に移植に用いるためには、さらに視細胞の純化効率をあげる必要があると思われた。移植前のソート手段として視細胞特異的なcrxプロモーター、Nrlプロモーターによる蛍光マーカー発現ベクターを作成し、プロモーターによる選別により効率よい移植がはかれるか予備実験を行い、さらにこれらの視細胞特異的プロモーター下流に抗生剤耐性遺伝子を導入し、視細胞のみ特異的に残るような培養系の確立が可能か検討中である。 2)移植環境の検討:移植手技の改善・向上により、野生株マウスにおいて移植視細胞が効率よく生着することが今年度になって確認された。そこで、変性網膜での生着条件を検討すべく、傷害モデル(MNU投与による視細胞傷害モデル)、遺伝的変性モデル(C3H/HeJ)を用いて、視細胞変性の進行期、変性直後などの変性過程における移植タイミングの生着の違いを検討。傷害網膜においては遺伝的変性網膜に比べ、後期においてコンドロイチナーゼABCの同時投与が細胞の網膜内への侵入を増強するが、同時に炎症も増強する可能性が示唆された。このことは傷害モデルにおいてグリオーシスによる影響が強い事を示唆すると思われ、また、遺伝的変性網膜においては、グリア活性は視細胞変性進行期に一時上昇するものの、その後一旦鎮静化傾向がみられ、グリオーシスによる移植細胞の阻害効果は傷害モデルのように強くないと思われた。さらに、この遺伝的変性モデルにおいては異所性であっても移植細胞は2次ニューロンとシナプス形成を示唆する所見も得られた。これらの移植細胞の機能解析のための一方法として、microelectrode array(MEA)を用いての網膜機能解析の方法を確立した。
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Research Products
(4 results)