2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸細胞膜トランスポートを標的とした小児固形腫瘍に対する治療法の開発
Project/Area Number |
19592055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和佐 勝史 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (10240467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 光宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30372618)
福澤 正洋 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60165272)
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Keywords | 小児悪性固形腫瘍 / 神経芽細胞腫 / アミノ酸トランスポート / 低酸素 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
固形腫瘍増殖のメカニズムで、血流の乏しい条件下においても、なぜ癌細胞が増殖可能なのかは明らかでない。今回、小児悪性固形腫瘍のひとつである神経芽細胞腫細胞(SK-N-SH)において、低酸素下での腫瘍細胞増殖のメカニズムをアミノ酸細胞膜トランスポートの面から検討した。低酸素モデルは、培養条件を低酸素状態(1%O_2-5%CO_2-94%N_2)下にすることで作成した。細胞膜アミノ酸トランスポートは、8時間低酸素ではcontrolに比し有意の変化を認めなかったが、24時間低酸素でグルタミン(Gln)、ロイシン(Leu)で有意に上昇した。この上昇は、細胞膜におけるアミノ酸トランスポーターの数の増加によることが明らかとなった。DNA および蛋白合成は、8時間低酸素でそれぞれ84.0±4.5、72.8±7.4%control、16時間低酸素で60.3±4.4、57.6±2.1%controlと、いずれも有意に低下した。SK-N-SHの細胞特異性を調べる目的で、他の神経芽細胞腫cell lineであるNB-1細胞において同様の検討を行ったところ、SK-N-SHと同様に、8時間の低酸素でLeu、Glnトランスポートはcontrolに比し有意に上昇した。以上の結果より、ヒト神経芽細胞腫cell line、SK-N-SHにおいて、低酸素下でアミノ酸トランスポートはup-regulationすることが明らかとなった。これが、低酸素下での固形腫瘍の生存と増殖に関与するメカニズムの一つである可能性が示された。
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Research Products
(1 results)