2008 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素の産生誘導を指標とした小腸移植における腸管適応促進剤のスクリーニング
Project/Area Number |
19592066
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
浜田 吉則 Kansai Medical University, 医学部, 准教授 (00172982)
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Keywords | 小腸移植 / 虚血再還流障害 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
小腸移植後の腸管機能の回復と誘導型一酸化窒素合成酵素(inducible nitric oxide synthase, iNOS)との関係を明確にするために、ラット小腸の虚血・再灌流(ischemia-reperfusion, IR)モデルを用いて、組織障害の回復過程におけるiNOSの発現誘導を解析した。 (1)小腸の虚血・再灌流障害(IR)モデルの作製ラット(雄性、Sprague-Dawly,8週齢;250-300g)の小腸虚血(上腸間膜動脈45分clamp)を作製し、再灌流後経時的に回腸を摘出し、以下の項目を検討した。(2)組織の損傷と回復(病理組織学的所見)HE染色にて、粘膜上皮細胞の剥脱とその回復を経時的(1-6時間)に検討した:虚血直後は絨毛先端の粘膜上皮細胞の剥脱が顕著であったが、再灌流1時間で剥脱部位への上皮細胞の移動が認められた。再灌流3-6時間では絨毛先端の回復を示した。(3)iNOS mRNAの発現(RT-PCR)回腸の粘膜部分を採集し、常法に従ってRNA抽出を行った。RT-PCRにてiNOS mRNAとequal loadingの指標としてelongation factor 1αを解析した。虚血(45分)のラットではiNOS mRNAレベルの増加傾向がみとめられたが、sham control(開腹してclampなし)のiNOS mRNA basalレベルが予想に反して、ラットの個体ごとに大きく上下した。 虚血・再灌流による血中の一酸化窒素や炎症性サイトカインの上昇も確認しているが、sham controlでのiNOS mRNAレベルの増減が単に開腹刺激によるのか否かは初期には不明であった。その後の考察より、ラットを"クリーンレベル"で飼育していたため外部からの非特異的な感染刺激がラットの正常値に影響を与えていた可能性が否定できない。
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