2007 Fiscal Year Annual Research Report
漏斗胸における呼吸・循環の評価と低侵襲手術(ナス法)後の改善に関する研究
Project/Area Number |
19592067
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
植村 貞繁 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (40160220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 達雄 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90412197)
中川 賀清 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00412198)
矢野 常広 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90433078)
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Keywords | 漏斗胸 / 低侵襲手術 / 呼吸・循環障害 / 胸郭変形 / 術後合併症 |
Research Abstract |
われわれはこれまで400例を超す漏斗胸手術を行ってきたが、その術前・術後の検査データの整理と分析が十分にできていなかった。平成19年度は与えられた研究費のなかで、レントゲンデータの生理と分析を行い、手術を行った症例の術前と術後を比べどのような改善点があったかを評価し、それを論文にまとめて発表した。その概略は、術前の胸部CTと術後2年経過した後のCTを比較し、胸骨の陥凹の程度が正常対照例と比べほとんど違LSが無い程に改善したことである。われわれが行っているナス手術はその意味では非常に有効な治療手段であることが明らかとなった。その他に、手術の安全性や合併症のデータの整理も行い、術後感染の発生頻度とその予防対策について論文にまとめた。術後感染としては体内に金属の異物を入れることから、十分な感染予防が必要で、創感染の発生頻度としては1%と低いが、胸膜炎をおこすことが1%程度あり、これはこれまでの報告にはない問題点であると考えた。その他に、術後合併症として自然気胸をおこす症例があり、ナス手術との関連について考察した。ナス手術では術後胸郭が大きく拡大されるが、もともとあった小さいブラがこの手術の後で大きくなり、それが破れて気胸となる可能性が示唆された。しかし、その治療法としては胸腔鏡下のブラ切除術を行うことで予後は良好であった。 現在、手術を行った患者の呼吸機能検査と心電図のデータを集積しているところである。また、漏斗胸の原因の解析として、胸郭の変形と肋骨の形態を評価している。これは今後、残り1年の課題として研究を行いたい。
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Research Products
(4 results)