2008 Fiscal Year Annual Research Report
セリンプロテアーゼ様蛋白HtrA1をターゲットとした新規ケロイド治療の基礎的検討
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19592073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内藤 素子 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (30378723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (30187728)
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Keywords | ケロイド / 創傷治癒 / 生体分子 |
Research Abstract |
昨年度より引き続き、インフォームドコンセントを得た患者検体より、パラフィンブロックを作成し、Human HtrA1 probeを用いたin situ hybridizationならびに抗HtrA1抗体を用いた免疫組織学的染色を実施し、症例数を増やすことにつとめた。この結果、HtrA1の発現強度と、臨床経過がよく相関することが判明し、HtrA1が治療方針の決定に役立つ可能性が示唆された。これまで組織染色を行った症例に対して、術後の外来における臨床経過観察をさらに綿密に行い、HtrA1の発現と臨床経過の相関を観察ことが重要かつ有意義であることが判明した。また、ケロイド細胞においてHtrA1のノックダウン実験を行うことに成功した。コントロールケロイド細胞とHtrA1ノックダウンケロイド細胞とで、遺伝子発現をマイクロアレイ法に比較検討した。その結果、申請者らがケロイドにおいて過剰発現しいてる特徴的な遺伝子として報告した(Naitoh, et al. Genes Cells, 10. 1081-1091, 2005)遺伝子のうちのひとつが、発現低下することが判明した。このため、HtrA1は、ケロイドに特徴的な遺伝子発現に重要な役割を担うことが示唆され、組織染色の結果とあわせて、ケロイド治療のターゲットならびに、治療方針の選択においてひとつの指標となるい可能性が示唆された。
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