Septic shockにおけるVasopressinの役割についての解明

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19592087
• Research Institution: Gunma University
• Principal Investigator: 日野原 宏 Gunma University, 医学部, 助教 (70361376)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 門井 雄司 群馬大学, 医学部, 准教授 (10292591)
• Keywords: Vasopressin / 敗血症 / NO / 腸間脈動脈

Research Abstract

Vasopressin投与による血行動態への影響をratを用いて行った。Wistar系Rat(250-300g)を用いてpentobarbital麻酔下に、盲腸穿孔モデルを作成する(22ゲージ針を使用して盲腸を2回穿孔。血圧及び血液採血用にFemoral arteryにPE50カテーテルを挿入。薬剤投与用にJugular veinにPE50カテーテルを挿入。上行大動脈と腎動脈にultrasonic flowprobe(Transonic System社製)を装着して持続的に心拍出量と腎血流量を測定。VasopressinとInducible Nitric Oide Inhibitor(L-N6-(1-iminoethyl)-lysine(L-NIL))を投与して投与後6時間まで血行動態、心拍出量、腎血流量を測定する。その後、麻酔から覚醒させて生存率の比較を行った。
敗血症が進行するにつれて血圧低下と心拍出量は著明に低下し、さらに腎血流と腸間脈動脈血流も低下した。Vasopressinを投与することで、腎血流の低下は食い止めることが出来たが腸間脈動脈血流低下は防げなかったL-NILをVasopressinと伴に投与すると腸間脈動脈血流は改善した。腸間脈動脈血管内皮のNO産生状態をImmunohistochemsity法によるNitrotyrosine染色で検討したところ、他の部位よりも著明に増加しており、L-NILがNO Overproductionを抑制することにより腸間脈動脈の血流を改善させることがわかった。本発見は臨床においてNO産生過剰を抑えることで薬剤の効果をより引き出せることがわかった。