2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロプロテオミクスによる重症脳障害の病態解析と脳蘇生法の開発に関する研究
Project/Area Number |
19592090
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
黒田 泰弘 Kagawa University, 医学部附属病院, 准教授 (80234615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 丈洋 香川大学, 医学部, 講師 (80419506)
山下 進 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40317053)
河井 信行 香川大学, 医学部, 講師 (40294756)
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Keywords | 重症頭部外傷 / 心停止後症候群 / マイクロダイアリシス / グリセオール / グルタミン酸 / 乳酸 / ピルビン酸比 / 8-OHdG |
Research Abstract |
重症脳障害患者(心停止後症候群10例、重症頭部外傷15例)において、脳マイクロダイアリシス(microaialysis:MD)モニタリングパラメータの変動と神経学的転帰との関係を検討した。 浸透圧利尿薬グリセオールの投与後、MDグリセオールは一過性に増加した。これは投与グリセオールが血液脳関門を速やかに通過することを示唆する。浸透圧利尿薬グリセオールの影響を無視した場合、心停止後症候群でグリセオール高値(200μM以上)の持続は神経学的転帰不良と関係する。これは蘇生後昏睡状態でもグリセオール初期値が底値であれば予後良好である可能性を示唆し心停止後集中治療におけるMDモニタリングの有用性を示した。一方グルタミン酸、乳酸/ピルビン酸比、ブドウ糖、8-OHdG(酸化ストレスマーカー)は、神経学的転帰による相違は明らかではなかった。 重症頭部外傷例においては、MDパラメータ(グリセオール、グルタミン酸、ブドウ糖)と神経学的転帰に一定の関係はなかった。乳酸/ピルビン酸比は、高値またはその変動が大きい症例では転帰不良の傾向がある。脳挫傷近傍で乳酸/ピルビン酸比が高値を示す部位は、後に梗塞域となる可能性がある。重症頭部外傷では病変が局在するので複数部位モニタリングによる検討が必要である。
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Research Products
(5 results)