2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592091
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
荒木 和邦 Saga University, 医学部, 准教授 (50193066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三溝 慎次 佐賀大学, 医学部, 講師
中島 幹夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (70315191)
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Keywords | Vibrio vulnificus / 壊死性筋膜炎 / micro-IF assay |
Research Abstract |
佐賀県を中心に有明海沿岸地域で多発するVibrio vulnificusによる感染症は、生の魚介類摂取を介して、主に肝障害を有する中年男性が感染し、その7割が死亡するという深刻な健康被害をもたらしている。本感染症は、肝障害を有する患者が生の海産物を摂取することで発生する。有用な治療法が無い中、当大学附属病院ICUにて救命し得た2名の患者に本菌に対する抗体価が上昇していることを発見し、さらに本感染症予防のため感染しやすい住民を発見する方法として、我々は、本菌に対する血清抗体価測定システムを開発した。本研究は、当大学附属病院ICUと佐賀、福岡、熊本等の地域中核病院との連携で得られた患者サンプルについて、本感染症患者における血清抗体価の推移を調査し、その有用性を検証することを目的とした。 まず、魚介類よりVibrio vulnificusを培養し、分離および育条件を調査した。次に採取した環境由来株や、佐賀大学保有のヒト由来株について、セパジーン等を用いたDNAの抽出及び保存を行った。本作業により保存したゲノムDNAを、佐賀大学及び他の協力地域中核病院等から得られる患者血清との抗原抗体反応に供した。さらに、マウスなどの実験動物に対して本菌を接種し、本菌の感染モデルを作成した。マウスあるいはラット等のげっ歯類を用いて、動物感染モデルを作成した。具体的には、10^7cfu程度の菌を動物に投与し、感染させた。菌は複数種類(ヒト由来株及び環境由来株)を用いた。感染後には速やかに血液を採取し動物由来サンプルとして抗原抗体反応試験を研究中である。
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Research Products
(6 results)