2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリンの臓器保護作用の発現機序の解明と重症敗血症治療への応用
Project/Area Number |
19592094
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
原田 直明 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (00309915)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡嶋 研二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60152295)
|
Keywords | 免疫グロブリン / 虚血再灌流障害 / 知覚神経 / インスリン様成長因子-I / アポトーシス / 腎障害 / 脊髄後根神経節細胞 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド |
Research Abstract |
1.免疫グロブリンによる知覚神経刺激作用の解析 マウスから分離した脊髄後根神経節細胞(DRG)に人免疫グロブリン製剤を作用させて、DRGからのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の放出を検討した。人免疫グロブリン製剤(1mg/ml)をDRGに作用させると、培養上清中のCGRP濃度が有意に上昇した。よって、免疫グロブリンは知覚神経刺激作用を有することが示された。 2.免疫グロブリンのマウス虚血再灌流性臓器障害に対する効果の解析 免疫グロブリンが知覚神経の活性化の活性化を介して、マウスの虚血再灌流性腎障害を軽減するか検討した。人免疫グロブリン製剤(100mg/kg、静脈内投与)をマウスに投与すると、虚血再灌流による腎組織中のCGRPおよびIGF-I濃度の上昇が有意に促進された。腎虚血再灌流による腎のTUNEL染色陽性細胞の増加とcaspase-3濃度の増加は、人免疫グロブリン製剤の投与で有意に抑制され、腎虚血再灌流による腎のアポトーシスを抑制することが示された。腎虚血再灌流による腎障害についても人免疫グロブリン製剤の投与で有意に抑制された。バニロイド受容体-1の選択的阻害剤であるSB366791投与により人免疫グロブリン製剤による腎虚血再灌流後の腎組織中のCGRPおよびIGF-I濃度の上昇作用は有意に阻害された。また、SB366791および抗マウスIGF-I抗体投与により、人免疫グロブリン製剤による腎虚血再灌流によるアポトーシスや腎障害の抑制作用もほぼ完全に阻害された。以上の結果から、免疫グロブリンは知覚神経の刺激作用を介して、腎のIGF-I産生を促進し、虚血再灌流によるアポトーシスを抑制し、腎障害を軽減している可能性が示された。
|
Research Products
(5 results)