2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592099
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
高田 勝美 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 准教授 (20075609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 万希子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60178332)
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
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Keywords | ショック / 微小循環 / 敗血症 / REC |
Research Abstract |
【目的】敗血症時にはライソゾーム膜が破壊され、種々の蛋白分解酵素が血中に放出され、循環系の異常だけでなく、組織の微小循環障害ならびに各種代謝異常を伴う全身反応が起こる。微小循環系は体内の物質交換と体液循環の調節を行う重要な場である。微小循環を維持することで、組織の酸素化を保持し臓器障害の進展を阻止することができる。蛋白分解酵素阻害薬であるウリナスタチン(UTI)とフリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンを用いて、敗血症時の微小循環への影響を観察した。【方法】対象は耳介に透明窓を装着した家兎を用いた。透明窓を生体顕微鏡下に固定し、血管径20-100μmの細動脈を選び顕微鏡用ビデオカメラで記録、観察した。ペントバルビタールを静注し気管挿管後にイソフルランで麻酔を維持し人工呼吸器で換気した。対象を無作為に対照群と治療群に分けた。敗血症はSigma社製エンドトキシン(E..coli lipopolysaccharide 055:B5;LPS)1mgを20分かけて点滴静注した。治療群ではUTI15万単位、エダラボン30mgをLPS投与後に静注した。【結果】細動脈の血管径はLPS投与前を100%とすると、6時間後に治療群では平均86.5%であったが、対照群では56.7%となり有意に減少した。細動脈の血流速度、血流量も同様の傾向がみられた。平均動脈圧は6時間後に治療群では平均85.2%、対照群では83.8%となり、両群間で有意差はみられなかった。【考察】敗血症性において炎症性サイトカイン発現の鍵となる転写因子NF-κBはSIRSの中心的な役割を果たしている。NF-κBを阻害するUTIとエダラボンは敗血症の微小循環障害に有効であったと考えられる。【結語】UTIとエダラボンの併用療法は敗血症時の微小循環障害を改善させた。
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Research Products
(3 results)