2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜・皮膚の付属器におけるパールカンの役割-上皮過剰発現系マウスによる解析-
Project/Area Number |
19592105
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
依田 浩子 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (60293213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 智 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30397161)
程 くん 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40207460)
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
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Keywords | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / パールカン / トランスジェニックマウス / 口腔粘膜 / 皮膚付属器 / 上皮過剰発現 / ケラチン5プロモータ / 細胞外基質 |
Research Abstract |
上皮組織構築とくに口腔粘膜、皮膚付属器における基底膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカン・パールカンの役割を解明する目的で、今年度はパールカン上皮細胞過剰発現系トランスジェニック(Tg)マウスにおけるin vivoでの上皮組織の病的変化について、口腔粘膜および毛包をはじめとする皮膚付属器に着目して組織学的に検索した。その結果、正常マウスの口腔粘膜上皮では、パールカンは上皮基底膜に限局していたが、Tgマウスでは基底細胞および傍基底細胞間にパールカンが沈着し、基底膜も肥厚していた。同時に、基底細胞配列の乱れも確認された。毛包発育過程では、正常マウスではパールカンは毛包周囲の基底膜に限局しているのに対し、Tgマウスでは毛包外根鞘に過剰発現し、表皮は角化亢進と過形成を呈し、皮脂腺の発達、毛包周囲の線維化と立毛筋配列の不規則化とともに毛包が萎縮し、脱毛傾向が明らかとなった。次に、病的変化が確認された上皮組織よりRNAを抽出し、RT-PCR法にてパールカン関連分子の遺伝子発現変化について検索したところ、上皮細胞の分化および毛包発育に関与する増殖因子ならびに転写因子に発現レベルの変化がみられた。したがって、パールカンの持続的発現により上皮細胞分化および皮膚付属器、とくに毛包発育にかかわるシグナル伝達経路が障害され、分化の乱れを生じる可能性が示唆され、上皮細胞の産生するパールカンが上皮組織構築に重要な役割を果たしていることがあきらかになりつつある。
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Research Products
(2 results)