2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜・皮膚の付属器におけるパールカンの役割-上皮過剰発現系マウスによる解析-
Project/Area Number |
19592105
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
依田 浩子 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (60293213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
程 〓 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40207460)
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
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Keywords | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / パールカン / トランスジェニックマウス / 口腔粘膜 / 皮膚付属器 / 上皮過剰発現 / ケラチン5プロモータ / 細胞外基質 |
Research Abstract |
上皮組織構築とくに口腔粘膜、皮膚付属器における基底膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカン・パールカンの役割を解明する目的で、今年度はパールカン上皮細胞過剰発現系トランスジェニック(Tg)マウスにおける口腔粘膜・皮膚創傷治癒実験を行った。その結果、Tgでは創傷3日後で創部周囲表皮が広範に過形成を示すとともに、基底細胞層にBrdU陽性細胞がより多数出現し、基底膜域のパールカン沈着が強調されていた。潰瘍底部では大型紡錘形再生表皮細胞が伸長していた。創傷5日後のTg表皮では、痂皮が脱落してCK5陽性の基底細胞層およびCK10陽性の棘細胞層・角化層の分化が完了していたが、Wtでは基底方向ならびに表層方向への分化はいずれも不完全であり、最表層には痂皮が残存していた。8日以降は顕著な差はなかった。さらに、経時的に採取された創部組織の一部より凍結切片を作製し、レーザーマイクロダイセクション法により、正常、周囲過形成表皮および再生表皮をそれぞれ採取しRNAを抽出後、上皮細胞分化関連因子について遺伝子発現の変化をRT-PCR法にて解析した。その結果、Tg周囲過形成表皮では、インテグリンβ1、BMP-4などの上皮再生にかかわるパールカン関連因子の発現上昇がみられた。したがって、上皮細胞によるパールカンの持続的過剰発現により、Tgでは皮膚創傷治癒過程初期における表皮再生が促進されていることが明らかとなり、パールカンがケラチノサイトの増殖および分化を制御している可能性がしめされた。
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Research Products
(3 results)