2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592108
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹村 元秀 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (70192169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 典史 奥羽大学, 薬学部, 教授 (70124534)
小林 真之 日本大学, 歯学研究科, 准教授 (00300830)
杉生 真一 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90397688)
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Keywords | 疼痛 / C-線維 / 侵害受容ニューロン / 神経因性疼痛 / 口腔・顔面 / サブスタンスP / ニューロキニン受容体 / γアミノ酪酸 |
Research Abstract |
侵害受容線維にはサブスタンスP(SP)、カルシトニン遺伝子関連物質(CGRP)等のペプチドを含有するものと、Griffonia simplicifolia B4(IB-4)に結合性を持つ非ペプチド性のものとに大別されているが、その機能的意義については不明である。私たちは細胞質内に入って毒性を発揮するサポリンをSPに結合させたSP-サポリンを延髄の後角(Vc;三叉神経尾側亜核)に作用させ、I層やIII層に存在するSPの受容体であるニューロキニン1受容体(NK1)を持つニューロンを削除することに成功した。NK1ニューロンを削除した動物では対照動物に比べ上口唇へのホルマリン注射が誘導する疼痛関連行動の第2相が減少した(ホルマリンテスト)。ホルマリン注射2時間後に誘導されるc-Fos発現はVcで減少し、GABA_A受容体のアンタゴニストであるビククリンの全身投与(2mg/kg)で侵害受容反応が対照動物では減少するところ、NK1ニューロンを削除した動物では効果が無かったことを明らかにした。すなわちSPに代表されるペプチド性C-線維が伝達するニューロン活動が無ければ、GABA_A受容体を介する制御が変化することを明らかにした。さらにIB-4サポリンを延髄の後角に作用させて非ペプチド性C-線維を削除したラットを使用して同様にホルマリンテストを行ったところ、第2相の疼痛関連行動が増加した。ペプチド性C-線維は上位中枢への侵害受容情報を伝達するだけでなく、GABA_A受容体を介した下行性制御に関わっている一方、非ペプチド性C-線維は、一次中継核内での炎症性疼痛のGABA系の制御に関与する可能性を示した。
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Research Products
(9 results)