2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収制御を担う新規膜表面複合体の分子免疫学的解析と形態学的動態解析
Project/Area Number |
19592116
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 敏夫 Kyushu University, 歯学研究部, 教授 (70150464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30153266)
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Keywords | 骨破壊 / 破骨細胞 / 抗体 |
Research Abstract |
破骨細胞は造血幹細胞に由来し、骨微小環境下に形成された単核の破骨前駆細胞どうしが融合することにより大型で多核の破骨細胞が形成される。更に骨芽細胞や骨基質から提供される刺激を受け、骨吸収機能に必須の形態学的超構造であるruffled border(刷子縁)が形成される(しばしば「活性化」という言葉で表現される)と、破骨細胞の活発な骨吸収が始まる。破骨細胞分化因子RANKLとその受容体であるRANKの発見により、分化シグナルに関する知見は急速に集積されつつあるが大規模な形態学的変化を伴う破骨細胞の「活性化」とその制御機構に関しては不明の点が多い。本研究では、破骨細胞の活性化に伴う特異的膜タンパク質の同定と破骨細胞の機能発現に伴う形態学的な動態解析を行い破骨細胞活性化の制御機構の一端を解明することを目的とする。当該分子を認識するモノクローナル抗体を用いた免疫学的精製の条件設定にかなりの時間を要したが、現在、設定した条件下での純化・精製を行なっている段階である。また、複数のタンパク分子に関して相互作用を形態学的に解析する為には、基礎情報として、最初に各分子各々についての動態解析を必要とする。当該分子の発現が破骨細胞分化に伴い発現誘導されることを明らかにした。また複数の分子の相耳作用を時間・空間的に解析する為には抗体を異なる蛍光色素で標識する必要がある。異なるモノクローナル抗体のFITC標識やPE標識を行ない、形態学的動態解析を遂行中である。一方、本研究では炎症性骨破壊の系に於ける当該タンパク質の動態を解析することが重要であるが、動物実験系として新たに、タイプIIコラーゲンを抗原として免疫して作成する「コラーゲン関節炎動物」の系も導入し、本研究の応用面での研究対象を広げた。
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