2007 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経を介した上下顎骨の協調的骨代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
19592124
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
後藤 哲哉 Kyushu Dental College, 歯学部, 准教授 (70253458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 繁 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10118078)
牧 憲司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60209400)
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Keywords | 神経ペプチド / 知覚神経 / 三叉神経節 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 顎骨 |
Research Abstract |
本研究は顎顔面部の顎の発達に神経系が関与しているかを調べるために、特に顎顔面部の神経が関与する三叉神経節において産生される神経ペプチドが顎の骨代謝に関与するかどうかを明らかにすることを目的としている。平成19年度はラットを用いた動物実験では三叉神経節において知覚神経由来のニューロキンンBとそのレセプターであるNK3レセプターが存在するかどうかをそれぞれの抗体を用いた免疫組織化学法にて調べた。また、ラット頭頂骨由来骨芽細胞を用いて、知覚神経由来の神経ペプチドである、タキキニン類(サブスタンスP、ニューロキニンA、ニューロキニン)、CGRPについてレセプターの発現と、培養液への添加による骨形成促進効果について調べた。動物実験ではニューロキンンBとそのレセプターであるNK3レセプター供に、免疫組織化学によってその存在が確認された。培養細胞の実験では、タキキニン類のすべてとCGRPのレセプターの発現が確認された。また、培養液の添加ではニューロキニンBが生理的な濃度に近い10^<-10>M程度でも、骨形成の促進作用が認められた。以上の結果により、三叉神経節には以前報告されているサブスタンスPやCGRPに加え、ニューロキニンBも産生されている事が明らかとなり、そのニューロキニンBは、以前報告されているサブスタンスPの骨形成促進効果を示す濃度(10^<-7>M程度)よりもはるかに低い濃度で骨形成を促進することが明らかとなった。これらの結果より、骨代謝に影響する神経ペプチドとしてはニューロキニンBが最も可能性があることが示唆された。
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