2008 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経を介した上下顎骨の協調的骨代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
19592124
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
後藤 哲哉 Kyushu Dental College, 歯学部, 准教授 (70253458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 繁 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10118078)
牧 憲司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60209400)
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Keywords | 神経ペプチド / 知覚神経 / 三叉神経節 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 顎骨 / ニューロキニンB |
Research Abstract |
本研究は顎顔面部の顎の発達に神経系が関与しているかを調べるために、特に顎顔面部の神経が関与する三叉神経節において産生される神経ペプチドが顎の骨代謝に関与するかどうかを明らかにすることを目的としている。平成20年度は、知覚神経に存在する神経ペプチドのうちタキキニンファミリーの1つであるニューロキニンBに着目し、ラットを用いた動物実験では顎骨の末梢神経においてニューロキンンB陽性神経が存在するかどうかを、抗体を用いた免疫組織化学法にて調べた。また、ラット骨髄細胞を破骨細胞に分化させる系を用いて、ニューロキニンBの培養液への添加による破骨細胞形成促進効果について調べた。動物実験ではニューロキンンB陽性知覚神経が歯周組織で確認されたが、全神経に陽性であるPGP9.5の免疫陽性神経数と比較するとかなり少なかった。培養液へのニューロキニンBの添加ではニューロキニンBが生理的な濃度に近い10^<-10>もしくは10^<-9>M程度でも、破骨細胞形成の促進作用が認められた。以上の結果により、歯周組織には以前報告されているサブスタンスPやCGRPに加え、ニューロキニンB陽性神経も存在する事が明らかとなった。また、ニューロキニンBは、以前報告した骨形成促進効果に加え、同程度の濃度で骨吸収に関与する破骨細胞形成も促進することが明らかとなった。これらの結果より、ニューロキニンBは神経系を介して歯周組織において、骨形成、骨吸収ともに促進する、つまり、骨リモデリングを促進することが明らかとなった。
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