2009 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経を介した上下顎骨の協調的骨代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
19592124
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
後藤 哲哉 Kyushu Dental College, 歯学部, 准教授 (70253458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 繁 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10118078)
牧 憲司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60209400)
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Keywords | 神経ペプチド / 知覚神経 / 三叉神経節 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 顎骨 / ニューロキニンB |
Research Abstract |
本研究は顎顔面部の顎の発達に神経系が関与しているかを調べるために、特に顎顔面部の神経が関与する三叉神経節において産生される神経ペプチドが顎の骨代謝に関与するかどうかを明らかにすることを目的としている。平成21年度は、三叉神経節における神経細胞の働きに対して神経細胞の周囲に存在する衛星細胞がどのように係わっているかについて検索を行った。実験はラットの上顎臼歯を抜歯し三叉神経節における衛星細胞の活性化を、活性化した衛星細胞のマーカーであるglial fibrillary acidic protein(GEAP)に対する抗体を用いて経時的に免疫染色を行って調べた。また、抜歯によって傷害を受けた神経細胞のマーカーとしてATF3に対する抗体を用いた。その結果、抜歯によって経時的に三叉神経節の上顎神経領域の神経細胞にはATF3陽性神経が増加したが、その傷害をうけた神経の周囲の衛星細胞も抜歯後経時的にGEAP陽性を示した。また、三叉神経節内でも下顎神経領域の神経は障害を受けていないのでATF3陽性神経は出現しなかったが、 GFAP陽性衛星細胞は上顎神経領域と同じように増加した。以前、我々はラットの上顎の歯を抜歯すると三叉神経節においては上顎神経のみならず下顎神経にもsubstance Pのような神経ペプチドが協調的に増加することを示したが、今回の結果により、上下顎神経細胞の協調的な活性化には衛星細胞の活性化が関与していることが示された。
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