2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規器官培養法によるヘルトビッヒ上皮鞘形成過程のイメージングと発生機序の解明
Project/Area Number |
19592128
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤原 尚樹 Iwate Medical University, 歯学部, 講師 (20190100)
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Keywords | ヘルトヴィッヒ上皮鞘 / サービカルループ / 歯根形成 / 上皮成長因子 / 器官培養 / EGF / GFP |
Research Abstract |
昨年度確立したslice culture法を用いてヘルトヴィッヒ上皮鞘(HERS)細胞の動態に関して2つの実験を行った。まずGFP(Green Fluorescence Protein発現)マウスの生後臼歯歯胚を用いてサービカルループの先端部、別の系では外エナメル上皮細胞に生体色素DiIをマイクロインジェクション後のサービカルループ付近、それぞれをリアルタイムイメージングにより観察した。その結果、サービカルループ周辺でDiIを保持した外エナメル上皮細胞が、HERSの形成過程と共に先端方向へ移動していく様子、内エナメル上皮細胞の移動はその反対方向への流れを示すことを動画映像として捉えることができた。 成長因子のHERSの発達に与える影響については、ここではepidermal growth factor(EGF)に関してのみ記載する。昨年度行ったEGFと星状網の関係を検証するため切歯を用いた。切歯は舌側に歯根様のHERS唇側にapical budが存在し、apical budは星状網を維持していることが知られる。切歯歯胚にEGFを添加して培養すると、EGF添加群はHERSの内外エナメル上皮間で、本来ほとんど観察されない星状網の領域が拡張した。一方EGF receptorの阻害剤の添加群では、HERSはもとよりapical budの星状網も退縮する傾向が観察された。昨年度の結果と併せ、EGFは星状網の維持、さらにはHERS形成に関わっていることが追証できた。 本研究課題において、独自の培養法を確立することができ、また我々の立てたHERS形成に関する仮説を検証することができた。中でもHERSの発達・形成にはEGFとIGF-Iが重要な調節因子として機能していることが判明した。
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Research Products
(6 results)