2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現解析による下顎頭の加齢的変化と変形性顎関節症の病態の解明
Project/Area Number |
19592133
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
渋川 義宏 Tokyo Dental College, 歯学部, 准教授 (50297347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 幹夫 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30322473)
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00276982)
山田 了 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20103351)
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Keywords | 下顎頭 / 顎関節 / 変形性顎関節症 / 加齢 / 遺伝子発現 / インディアンヘッジホッグ |
Research Abstract |
変形性顎関節症は下顎頭の加齢的変化や不正咬合により引き起こされることが報告されているが、その発症メカニズムは未だ明らかではない。インディアンヘッジホッグ(以下、Ihh)は、軟骨細胞の増殖や分化を制御することにより四肢や体幹の骨格形成において重要な役割を担うことが知られている。我々は、Ihh遺伝子欠損マウス胎児の下顎頭では軟骨細胞は早期に成熟することにより肥大層は菲薄化し、前軟骨細胞の増殖が抑制され、組織学的に変形性顎関節症のモデルマウスに類似していることを発見した。そこで、本研究では下顎頭の成長発育におけるIhhの機能を明らかにし、さらに加齢的変化と変形性顎関節症の発症に伴う下顎頭の形態変化(特に各細胞層の変化)におけるIhhの役割を遺伝子レベルで明らかにすることを目的とし、実験を進めている。平成19年度では成長期から老年期正常マウスの下顎頭の形態変化を解剖組織学、組織形態計測学、および骨・軟骨関連遺伝子の時空的な発現をin situハイブリダイゼーション法により検索した。その結果、成長期マウスではIhhは前肥大軟骨細胞層に認められ、種々の細胞増殖に関与する副甲状腺関連蛋白(以下、PTHrP)の発現が下顎頭表層部で検出された。しかし、加齢に伴ない、IhhとPTHrPの発現が減少し、Histone H4C(増殖細胞層マーカー)およびtype II collagen(幼若軟骨細胞マーカー)の発現の低下が認められた。このことから、Ihhは下顎頭表層部にPTHrPの発現を促し、増殖層の前軟骨細胞の増殖を維持し、肥大層においては軟骨細胞の最終分化を抑制することにより、軟骨細胞を維持していることが示唆された。今後、変形性顎関節症モデルマウス(老化促進マウス)における各細胞層の変化を遺伝子レベルで解析し、正常マウスと同時期の変化を比較することにより、変形性顎関節症の発症、進行期の病態について遺伝子変異との関連性を解明する予定である。
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Research Products
(5 results)