2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592135
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
才木 桂太郎 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 講師 (30297973)
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Keywords | 蛋白分泌 / ジンジパイン / 歯周病 |
Research Abstract |
新規蛋白分泌装置を構成する新規蛋白因子PG27の同定 歯周病原因菌であるPorphyromonas gingivalisが分泌するジンジパインは、本菌の増殖や病原性に必須である。ジンジパインは新規の蛋白因子(PorT,Sov)が関与することから新規の蛋白分泌系経路によって分泌されると推定されているが、詳細は明らかにされていない。申請者はP.gingivalis W83株のゲノムデータベースを用いたポストゲノム解析から、ジンジパインの分泌に必須である遺伝子候補としてPG27遺伝子を得た。そこでPG27遺伝子を欠失させたP.gingivalisの変異体を構築し、その効果を詳細に検証した。PG27遺伝子の欠失変異はジンジパインの活性をほぼ完全に消失させたが、本菌の他の分泌性プロテアーゼであるジペプチジルペプチダーゼ(DPPIV,DPP-7)やトリペプチジルペプチダーゼ(PTP-A)の活性にはほとんど影響が無かった。次に、ジンジパインに対する抗血清(抗RgpB抗血清)を調製して、 Arg-ジンジパインの細胞内局在をウエスタンブロット法で解析した。欠失変異体は異常な分子量のArg-ジンジパインが細胞内に蓄積しており菌体外への分泌が著しく減少していることが明らかとなった。PG27の一次構造解析の結果、PG27蛋白はシグナル配列を有する新規の膜蛋白質であると推定された。そこで、抗PG27抗血清を調製して、P.gingivalisの細胞画分をウエスタンブロット法で解析した結果、PG27蛋白は内膜と外膜の両方に局在することが明らかとなった。以上の結果、PG27蛋白は本菌の新規蛋白分泌に関わる第3番目の蛋白因子であることを示した。
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Research Products
(3 results)