2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592135
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
才木 桂太郎 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 講師 (30297973)
|
Keywords | 蛋白分泌 / ジンジパイン / 歯周病 |
Research Abstract |
申請者はジンジパインの分泌に必須なPorphyromonas gingivalisの新規遺伝子sovを同定した。本年度は、Sov蛋白質の下記に示す生化学的性状を明らかにした。 1.Sov蛋白の細胞内局在の同定 Sov蛋白のN末とC末に対する抗Sov抗血清32-177:2408-2499と、Sov蛋白のN末領域に対する2種の抗Sov抗血清(178-625と626-1073)を調製した。しかし、Sov蛋白は発現量が低いため、野生型P.gingivalisで発現しているSovの蛋白バンドをイムノブロット法で検出できなかった。そこで、C末端にヒスチジン・タグを導入したSov蛋白を発現するP.gingivalis 83K5株を構築して細胞画分を調製し、ニッケル・カラムで濃縮してから、イムノブロット法による解析を行った。するとSov蛋白バンドは外膜画分に特異的に検出された。従って、Sov蛋白は外膜蛋白であることが示された。 2.Sov蛋白のC末端領域の機能必須領域の検定 抗Sov抗血清存在下でのP.gingivalisの生菌体によるジンジパインの分泌を調べた結果、3種の抗Sov抗血清の中で、抗Sov抗血清32-177:2408-2499のみがジンジパインの分泌阻害を示すことを明らかにした。そこで、Sov蛋白のC末端領域における計11種類の欠失変異体を構築してその効果を検証し、Sov蛋白を構成する2,499残基の内、C末端からの5残基の欠失がSov蛋白の活性を消失させることを見出した。更に、抗ヒスチジン抗体が83K5株によるジンジパインの分泌を阻害することから、Sov蛋白のC末端領域がSovの機能発現に重要な役割をしていることを明らかにした。
|