2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜幹細胞と幹細胞ニッチのストレス応答の組織学的解析
Project/Area Number |
19592138
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
島田 明美 Tsurumi University, 歯学部, 助教 (00339813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 達也 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90323708)
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
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Keywords | 歯根膜 / 組織幹細胞 / BrdU / label-retaining cell / 再植 |
Research Abstract |
成体幹細胞は正常組織ではゆっくりとしか分裂せず、DNA標識が比較的長期間残存すると言われている。本年度は、この様なLabel retaining cell(LRC)の標識残存期間、歯根膜における分布、マーカー分子の発現、ならびに歯根膜修復過程での増殖を調べた。歯周組織の細胞を標識するための5-bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)投与条件を検討した。第一臼歯の歯根が形成される生後11〜15日目のICRマウスに1日2回、50μg/g体重のBrdUを皮下注射した。ブアン液で灌流固定を行い、モース液で脱灰した後、常法通りにパラフィン包埋切片を作製した。2N HC1(37℃、90分)でDNAを変性させた後、BrdU標識細胞を免疫組織化学法によって検出したところ、BrdU投与終了直後では、歯根膜細胞の約40%がBrdUで標識された。BrdU投与終了後2〜10週のBrdU標識の残存を調べたところ、標識細胞の割合は2週で7.3±4.5%、4週で5.5±2.7%まで減少したが、その後10週までは4%前後を推移した。これらのBrdU-LRCは、歯根膜中の血管周囲や歯のセメント質近傍に多く分布した。また多重免疫染色の結果、BrdU-LRCはα-smooth muscle actin, platelet-derived growth factor-βなどを発現していた。BrdU投与終了4週後に上顎第一臼歯を抜歯し、再植後のBrdU-LRCの挙動を調べた。Proliferating cell nuclear antigen(PCNA)との多重免疫染色の結果、定常状態ではこれらのBrdU-LRCは増殖していなが、再植後1〜3日でBrdU-LRCはPCNA陽性となったことから、BrdU-LRCが再植後の歯根膜の組織修復過程に寄与する可能性が示唆された。
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Research Products
(10 results)