2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜幹細胞と幹細胞ニッチのストレス応答の組織学的解析
Project/Area Number |
19592138
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
島田 明美 Tsurumi University, 歯学部, 助教 (00339813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 達也 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90323708)
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
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Keywords | 歯根膜 / 組織幹細胞 / BrdU / label-retaining cell / 再植 |
Research Abstract |
成体幹細胞は正常組織ではゆっくりしか分裂せず、DNA標識が比較的長期間残存すると言われている。本研究では、この様なLabel retaining cell(LRC)のマウス歯周組織での分布や組織侵襲に対する動態を5-bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)の残存をマーカーとして追跡している。しかしマウス歯根膜は組織量が少なく、細胞の機能解析には多数の個体を必要とするため、BrdU-LRCの分離は困難であった。そこで本年度は歯根膜組織の培養法について検討した。 ICRマウスの上下顎臼歯を抜去し、直接collagenゲル中に包埋して1,3,5,7日間培養した後、酵素処理によってゲル中の歯根膜由来細胞を解離し、プラスチックシャーレに播種した。単層培養下での増殖速度を比較したところ、ゲル培養の期間に依存して増殖速度、ならびにコロニー形成細胞の出現頻度が有意に増加した。次に、生後11~16日の間、BrdUを50mg/kg体重で1日2回皮下投与し、その後4週間飼育したICRマウスから臼歯を摘出し、同様にゲル培養した。1,3,5,7日後にゲルごとホルマリン固定し、パラフィン包埋切片を作製して組織学的に観察したところ、歯根膜のBrdU-LRCはゲル中で増殖を再開することが確認できた。その結果、培養1~3日ではPCNA陽性のBrdU-LRCが検出できたが、3~5日後には分裂によりPCNA陽性細胞からBrdUが検出できなくなった。 以上の結果、コラーゲンゲル培養法は、歯根膜に分布するBrdU-LRC、すなわち幹細胞様細胞を効率的に培養する方法として有用であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)