2008 Fiscal Year Annual Research Report
唾液分泌神経に対する前脳および脳幹からのグルタミン酸作働性興奮性入力に関する研究
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19592143
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
美藤 純弘 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20240872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 龍二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157268)
小橋 基 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80161967)
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Keywords | 上唾液核 / 興奮性入力 / グルタミン酸 / グルタミン酸バイオセンサー / 前脳 / 脳幹 / 視床下部 / ラット |
Research Abstract |
前年度の研究結果から、約60%のSSNニューロンは前脳からグルタミン酸作動性入力を受けていること、またやく40%のSSNニューロンは下位脳幹からグルタミン酸作動性入力を受けていることが示唆された。 これを受けて、本年度は大きく2つのin vivo実験を行った。1つは、前脳で摂食中枢といわれている視床下部外側野の唾液分泌に対する影響を自由行動下のラットを用いて分析した。Wistar系雄性ラットをネンブタール麻酔下で、顎下腺カニューレと両側咀嚼筋筋電図用電極を装着し、視床下部外側野に薬物投与用のカニューレを挿入した。回復後、摂食中の唾液分泌をCPPおよびCNQX (NMDAおよびnon-NMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニスト)を視床下部外側野に投与したときの影響を調べた。グルタミン酸受容体アンタゴニストを投与したときの唾液分泌は、コントロールと比較して減少する傾向にあった。よって、視床下部外側野ニューロンが上位中枢からグルタミン酸を介した興奮性入力を受けることによって興奮し、興奮性シグナルを上唾液核ニューロンに送っていることが示唆された。 もう一つの実験は、下位脳幹からのグルタミン酸入力を分析することを試みた。味覚唾液反射は味覚刺激による感覚情報が下位脳幹を介して上唾液核に入力すると考えられる。そこでWistar系雄性ラットをウレタン麻酔下で、上唾液核にグルタミン酸を特異的に検出するグルタミン酸バイオセンサーを挿入し、味覚刺激したときのグルタミン酸濃度を電流として記録した。グルタミン酸放出が舌前方部をNaC1(0,5M)、HC1(0.01M)、塩酸キニーネ(0.01M)、シュクロース(1M)溶液またはピンチで刺激した。バックグランドレベルは数nAより下がらなかったので、この状態で味覚またはピンチ刺激した。味覚刺激したときは十分な応答は得られなかったがピンチ刺激したときは5nA位の応答が得られた。よって、上唾液核に下位脳幹を介するグルタミン酸入力が存在することが示唆された。
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