2007 Fiscal Year Annual Research Report
心筋および神経分化におけるbHLH型転写因子DEC2の機能解析
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19592147
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 勝巳 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40294566)
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Keywords | 心筋分化 / 神経分化 / bHLH型転写因子 |
Research Abstract |
新規bHLH(塩基性ドメイン-ヘリックス-ループ-ヘリックス構造)型転写因子であるDec2の組織発生における役割を解明することを目的として、研究を進めている。 ノザンブロット解析により、ヒトおよびマウス組織のDec2 mRNA発現レベルを調べた。ヒト、マウス共に、骨格筋・心臓・脳においてDec2 mRNAの発現レベルが高く、また、多くの組織においてDec2 mRNAの発現は概日リズムを示すことが明らかになった。このようにDEC2の発現は組織特異的な因子と概日時計により調節されていると考えられる。概日リズムによる制御機構に関しては、時計遺伝子であるClockとBmal1がDEC2の発現を増加させ、逆に、Cry1, Cry2,Per1, Per2がDEC2の発現を抑制することで調節していることが示された。 Dec2は筋肉分化のマスター分子であるMyoDの作用を阻害することを明らかにした。MyoDはE12/E47と二量体を形成後、E-boxに結合し、筋肉クレアチンキナーゼなどの筋肉特異的遺伝子の発現調節に関与している。Dec2がMyoDに結合すると、MyoDのE-boxへの結合が阻害されることでMyoDが機能できなくなる。これら結果から、Dec2は筋肉分化を負に調節する因子として働くことが示唆された。 MyoD以外にもDec2と相互作用する転写因子を同定しており、転写活性に及ぼす影響について解析中である。
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