2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592149
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安松 啓子 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 研究員 (50380704)
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Keywords | 味覚 / 脂肪酸 / 鼓索神経 / 舌咽神経 / 脂肪酸受容体 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
正常な食調節を乱れさせる原因として、嗜好性の高い甘味や脂肪がある。甘味と違って脂肪そのものは明確な味を惹起しないにもかかわらず、食品に含まれているか否かで食欲への刺激効果はまったく異なっている。近年、脂肪酸受容体GPR40、GPR120やトランスポーターCD36がげっ歯類の味蕾細胞に存在し、脂肪酸を受容している可能性が報告され、食物中の脂肪を検出するために味覚器が重要な役割を果たしている可能性が示唆されている。本研究では、脂肪酸の味覚および味覚修飾について明らかにするため、脂肪酸受容体GPR40-KOマウス、Gタンパクgust-KOマウス、そして野生型マウスを用いて、脂肪酸単独刺激、味物質と混合した刺激を用い舌前方(鼓索神経)・後方(舌咽神経)の全神経線維束の応答記録にて比較検討した。その結果、GPR40-KOマウス舌咽神経では1-10mMオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、DHAに対する応答が野生型マウスより有意に小さかった。Ggust-KOマウスでは、鼓索・舌咽両神経において野生型マウスとの間に差は見られなかった。また舌に脂肪酸を塗布する前後の味覚応答の記録をGgust・KOマウスと野生型マウスにおいて比較したところ、野生型マウスでは両神経において1mM以上のDHAにより苦味応答が有意に抑制されたが、Ggust-KOマウスでは苦味応答抑制が見られなかった。脂肪酸の苦味抑制効果の強さはDHA>リノール酸>オレイン酸となった。以上の結果から、脂肪酸に対する味神経応答は受容体GPR40を介しているが、Gタンパクgustducinは介さずに起こっていることが示唆され、脂肪酸による苦味抑制には、苦味受容体かその下流で伝達を行うGタンパクgustducinが関与している可能性が示唆された。
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[Journal Article] Gurmarin sensitivity of sweet taste responses is associated with co-expression patterns of T1r2,T1r3,and gustducin2008
Author(s)
Shigemura N, Nakao K, Yasuo T, Murata Y, Yasumatsu K, Nakashima A, Katsukawa H, Sako N, Ninomiya Y.
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Journal Title
Biochem.Biophys.Res.Commun. 367
Pages: 356-363
Peer Reviewed
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