2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性化破骨細胞の膜表面蛋白質による骨吸収制御とその細胞内シグナル伝達の解析
Project/Area Number |
19592150
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
久木田 明子 Saga University, 医学部, 准教授 (30153266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (70150464)
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Keywords | 破骨細胞 / 分化 / 抗体 |
Research Abstract |
破骨細胞は多核の骨吸収機能を有する細胞である。破骨細胞分化因子RANKLが明らかにされたことからその受容体を介した破骨細胞分化の細胞内のシグナル因子に関しては多くの報告があるが、骨吸収の制御機構については不明な点が多い。活性化した破骨細胞の膜表面に特異的に発現するタンパク質は、リガンドの受容体として骨吸収制御に関わる可能性があると考えられる。本研究は、筆者らが作成したラット破骨細胞特異的なモノクローナル抗体の抗原を同定しその機能を明らかとすることを目的とした。昨年度は発現クローニング法によりいくつかの候補遺伝子の単離を試みたが、これらの遺伝子の機能を明らかにする一方、培養破骨細胞より抗原蛋白質を免疫沈降或いは親和性カラムを用いて精製し同定を試みた。その結果1つの候補としてgalectin-3が検出されたが、現在さらに詳細な解析を行い、galectin-3とは異なるタンパク質の同定も進めている。また一方、モノクローナル抗体の抗原とカルシトニン受容体との複合体の形成について検討するため、共焦点レーザー顕微鏡を用いて調べた結果、一部の破骨細胞においてこれらが共局在していることがわかった。また破骨細胞をカルシトニンで処理すると、カルシトニン受容体が膜から細胞の内部へinternalizeし、Kat1抗原の膜への局在が減少することがわかった。さらに、破骨細胞をKat1抗体で処理すると、カルシトニンで処理したときに上昇する細胞内のcAMPのレベルが変化した。これらのことから、一部の破骨細胞ではKat1抗原はカルシトニン受容体と同じ挙動を示しリガンドによる骨吸収の機能制御に関わることが考えられた。
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Research Products
(8 results)