2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨疾患における創薬のターゲットとなりうるプロテアーゼの作用機序の解明
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19592152
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡元 邦彰 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10311846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西下 一久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20237697)
坂井 詠子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10176612)
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Keywords | aspartic proteinase / cathepsin E / degradation / osteoclast / RANK / RANKL |
Research Abstract |
破骨細胞への分化・活性化においてRANK(Receptor Activator of NF-KB)/RANKL(RANK Ligand),OPG(Osteoprotegerin)の系とMacrophage colony stimulating factor(M-CSF)/c-fmsの系は重要なシグナル伝達経路である。カテプシンE(CE)の欠損マウスは破骨細胞の形成において、野生型マウスと比較して有意な破骨細胞数の減少が認められたため、これらの経路の解析を進めてきた。前年度の実験において、mRNAレベルでは差が認められなかったので、本年度はタンパク質レベルでの比較を行った。破骨細胞の分化・活性化の指標であるカテプシンKは経時的に増加が認められたが、CE欠損マウスではその発現量の減少が認められた。これは、CE欠損マウスの破骨細胞数の減少によるものと考えられた。主に破骨細胞増殖に関与しているといわれるc-fmsの発現を調べたところ、RANKL添加後24時間でCE欠損マウスで発現の減少が認められた。そこで、細胞増殖能をcell counting kitで調べたところ、CE欠損マウスで細胞増殖率の減少が認められた。つまり、破骨細胞前駆細胞の増殖を抑制していることが破骨細胞の分化・活性化を抑制している原因の1つであることが示唆された。リアルタイムPCRの結果では、c-fmsのmRNAレベルでの発現には有意な差は認められなかったので、今後は細胞膜表面への輸送系にカテプシンEが関与していないかどうかを検討する予定である。また、本年度はリアルタイムPCRを用いて、昨年度ゲル電気泳動で実験したmRNA発現の定量的解析を行った。ゲル電気泳動と同様に、c-fms,RANK,c-fos等、mRNAの発現に有意な差は認められなかった。
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