2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔扁平上皮癌細胞を標的としたオートファジー誘導療法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
19592156
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
坂上 宏 Meikai University, 歯学部, 教授 (50138484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 研 明海大学, 歯学部, 助教 (70343457)
河瀬 雅美 松山大学, 薬学部, 教授 (20112641)
三巻 祥浩 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90229790)
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Keywords | 環状α,β-不飽和ケトン / 口腔扁平上皮癌細胞 / 細胞のタイプ / アポトーシス / オートファジー / ビタミンK_2 / プレニルアルコール |
Research Abstract |
我々は、多くの環状α、β-不飽和ケトン類は、アポトーシスを誘導しないことを報告してきた。ビタミンK_2誘導体は、ナフトキノン骨格の2位の炭素に種々の大きさのイソプレニル基が、3位の炭素にメチル基が結合したものである。今回、様々なサイズのイソプレニル単位(n=1-14)が結合したビタミンK_2誘導体のヒト口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2、HSC-3、HSC-4)、ヒト肝癌細胞(HepG2)、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)、およびヒト正常口腔細胞(歯肉線維芽細胞、歯髄細胞、歯根膜線維芽細胞)に対する細胞傷害活性、および誘導される細胞死のタイプを検討した。14種類のビタミンK_2誘導体の中では、n=2のMK-2、n=3のMK-3が最大の細胞傷害活性を示した。n≧4では、CONFLEX/PM3で求めた最安定化構造が折れ曲がるため(Ishihara and Sakagami,Anticancer Res 47:4039-4064、2007)、細胞傷害活性が著しく低下した。側鎖部分のプレニルアルコールにおいては、n=4のgeranylgeraniol(GGO)が最大の細胞傷害活性を示した。腫瘍選択係数は、MK-2、GGOいずれも2.0程度であった。GGOはHL-60細胞にアポトーシスを誘導したが、環状α、β-不飽和ケトン構造を有するMK-2は、ほとんど誘導しなかった。オートファジーマーカーである酸性オルガネラの形成も誘導されなかったので、オートファジーの誘導の可能性も低かった(Sakagami et al.,Anticancer Res 28:151-158、2008)。MK-2で誘導される細胞死のタイプは現在までのところ未定であり、更なる検討が必要である。
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