2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔扁平上皮癌細胞を標的としたオートファジー誘導療法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
19592156
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
坂上 宏 Meikai University, 歯学部, 教授 (50138484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 研 明海大学, 歯学部, 助教 (70343457)
河瀬 雅美 松山大学, 薬学部, 教授 (20112641)
三巻 祥浩 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90229790)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌細胞 / 細胞のタイプ / アポトーシス / オートファジー / 構造活性相関 / ベンズアルデヒド誘導体 / 環状α,β-不飽和ケトン |
Research Abstract |
我々は、多くの環状α,β-不飽和ケトン類は、アポトーシスを誘導しないことを報告してきた。今回、これらの知見を確証するために、ベンズアルデヒド誘導体のβ-cyclodextrin benzaldehyde inclusion compoundやsodium5,6-benzylidene-L-ascorbateのヒト口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2, HSC-3, HSC-4)、ヒト肝癌細胞(HepG2)、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)、およびヒト正常口腔細胞(歯肉線維芽細胞、歯髄細胞、歯根膜線維芽細胞)に対する細胞傷害活性、および誘導される細胞死のタイプを検討した。腫瘍選択係数は、正常細胞に対する50%細胞傷害濃度の平均値を、癌細胞に対する50%細胞傷害濃度の平均値で割り求めた。その結果、これらベンズアルデヒド誘導体は、アポトーシスに特徴的なヌクレオソーム単位の断片化やカスパーゼ-3の活性化を誘導しなかったが、オートファジーに特徴的な二次リソゾームの形成を誘導することが透過型電子顕微鏡観察により確認した。しかしながら、これらの物質の腫瘍選択性は、親化合物のベンズアルデヒドと比較すると低いため、オートファジー誘導活性と腫瘍選択性の間に必ずしも相関がないことが示唆された。環状α,β-不飽和ケトン類に関しては、3,5-bis(arylidene)-4-piperidones and N-acetylanalogs,3-benzylidene-2,3-dihydro-1-benzopyran-4-one,1-aryl-2-dimethy laminomethy1-2-propen-1-one hydrochloride類に若干の腫瘍選択性が観察された。
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Research Products
(5 results)