2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔扁平上皮癌細胞を標的としたオートファジー誘導療法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
19592156
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
坂上 宏 Meikai University, 歯学部, 教授 (50138484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 研 明海大学, 歯学部, 助教授 (70343457)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌細胞 / 細胞死のタイプ / アポトーシス / オートファジー / 構造活性相関 / 環状α,β-不飽和ケトン / 細胞間での感受性の差 |
Research Abstract |
38種類のtetrahydroisoquinoline誘導体の細胞傷害活性、腫瘍選択性、誘導される細胞死を、ヒト口腔扁平上皮癌細胞を用いて検討した。3,4-Dimethoxybenzoyl基の様なかさ高い置換基をを有する6,7-dimethoxy-3,4-dihydroisoquinolin-2 (1H)-yl)(3,4-dimethoxyphenyl)methanone (TQ9)が最大の腫瘍選択性を示した(腫瘍選択係数12.5)。TQ9は、ヒト前骨髄性白血病細胞HL-60には、ヌクレオソーム単位のDNAの断片化とカスパーゼ-3の活性化を誘導したが、ヒト口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2, HSC-4)には、DNAの断片化やカスパーゼ-3の活性化を誘導せず、酸性オルガネラの形成を促進したことから、オートファジーが誘導された可能性が示唆された。半経験的分子軌道法を適用して、細胞傷害活性と分子量、あるいはCONFLEX/PM5法で計算された16種類の化学的記述子との相関を求めた。細胞傷害活性と脂溶性、あるいは、表面積、体積、幅などの分子サイズを表す記述子との間には高い相関が得られた。同様に、表面積、体積は、4-trifluoromethylimidazoleおよびdihydroimidazole誘導体の細胞傷害活性を予測するのに有用であることが判明した。タンニン関連化合物をヒト血清アルブミンとインキュベーションすることにより、斎場正常細胞に対する細胞傷害活性が低下することが判明した。
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