2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌進展抑制性ケモカイン(BRAK)遺伝子の口腔癌細胞における発現制御機構
Project/Area Number |
19592162
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
畑 隆一郎 Kanagawa Dental College, 歯学部, 教授 (10014276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 重幸 神奈川歯科大学, 歯学部, 特別研究員 (40434394)
前畑 洋次郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (80410009)
バワール ウジャール 神奈川歯科大学, 歯学部, 特別研究員 (50433339)
加藤 靖正 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (50214408)
倉田 俊一 神奈川歯科大学, 歯学部, 客員教授 (60140901)
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Keywords | 口腔癌 / 腫瘍抑制遺伝子 / BRAK / CXCL14 / ケモカイン / MAPキナーゼ / 上皮増殖因子 / 頭頸部癌 |
Research Abstract |
研究目的:我々は口腔癌を含む多くの癌で上皮増殖因子受容体が活性化していることに着目して、口腔扁平上皮癌細胞を無血清下の培養で培養し、上皮増殖因子で処理した際に(癌の悪性化条件)変化する遺伝子を遺伝子チップおよびRT-PCR法で網羅的に解析し、ケモカインBRAK/CXCL14のmRNAが特異的に発現低下していることを見いだした。今年度はMAPキナーゼによるBRAK遺伝子の発現制御機構を研究し、ERKおよびp38MAPキナーゼによりBRAK遺伝子の発現が制御されていることを明らかにした。研究結果:BRAK mRNAレベルの低下はEGF処理3時間後から顕著になった。一方、EGF受容体(EGFR)の阻害剤であるgefitinib(Iressa、ZD1839)の共存により、EGFによるBRAK mRNAの低下作用は阻害された。また、EGFのMAPキナーゼ系に対する影響を調べるためにEGF処理後のERK,p38,JNKの活性化(リン酸化)を調べると、EGF処理10分後から30分後にかけてERK2のリン酸化のみが促進された。EGFによるERK2のリン酸化とそれに伴うBRAK mRNAとタンパク質レベルの低下はMEK阻害剤(PD98059)の共存により阻害された。これらの結果より、EGFはEGFRに結合してMEK、ERK2を活性化し、BRAK mRNAおよびタンパク質レベルの低下作用を示すことが明らかになった。また、p38阻害剤で処理するとBRAK遺伝子の発現の低下が観察され、p38がBRAK mRNAレベルの上昇に関与していることが示唆された。これらの結果からERKおよびp38MAPキナーゼによりBRAK mRNAレベルが調節されていると考えられる。
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Research Products
(9 results)