2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌進展抑制性ケモカイン(BRAK)遺伝子の口腔癌細胞における発現制御機構
Project/Area Number |
19592162
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
畑 隆一郎 Kanagawa Dental College, 歯学部, 教授 (10014276)
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Keywords | 口腔癌 / 腫瘍抑制遺伝子 / BRAK / CXCL14遺伝子 / 転写制御 / AP-1結合配列 / 頭頸部癌 |
Research Abstract |
目的:我々はケモカインBRAK/CXCL14が内在性の癌進展抑制因子であり、舌癌由来細胞(HSC-3)にこれを強制発現すると、マウスへの移植腫瘍において腫瘍抑制作用を示すことを見いだした(Ozawa S. etal., Biochem. Biophys. Res. Commun.348,406-412,2006)。また,昨年度は上皮増殖因子受容体の阻害剤であるゲフィチニブ処理により、腫瘍細胞内のBRAK/CXCL14が上昇し、かつ、癌細胞の造腫瘍活性が低下することを明らかにした。本研究では癌化の原因を明らかにするためにBRAK/CXCL14遺伝子の転写開始点と、転写制御機構について調べた。方法と結果:5'RACE法により、従来報告されていたBRAK/CXCL14遺伝子の第一エキソン(+284)に転写開始点が存在することが判明した。また、転写開始点の上流配列とルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子とする発現ベクターを作成し、プロモーター領域の欠失あるいは変異させたプラスミドをHSC-3細胞にトランスフェクションし、ルシフェラーゼ活性を解析した。この結果、プロモーター領域のTATTAA配列がTATA boxとして機能し、転写因子のAP-1結合配列。GC box3,4がBRAK/CXCL14遺伝子の転写制御に重要であることを明らかにした。さらに、プロテインホスファターゼ阻害剤のオカダ酸はAP-1結合配列を介して遺伝子の転写活性化をしていることが明らかになった。 結論:BRAK/CXCL14遺伝子の転写制御機構配列が明らかになったことにより、遺伝子の転写制御の分子機構の解析への途が開けた。
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Research Products
(10 results)