2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来リポタンパク質およびリポペプチドの腫瘍増殖に及ぼす影響
Project/Area Number |
19592166
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木浦 和人 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 専門研究員 (50435947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 健一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50145265)
長谷部 晃 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90281815)
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Keywords | 自然免疫 / アジュバント / 坑腫瘍免疫 / 制御性T細胞 / 抗体依存性細胞傷害活性 |
Research Abstract |
1、FSL-1+QRsP(UV)免疫で腫瘍細胞の増殖が抑制される理由 腫瘍抗原にFSL-1を加えたことによりアジュバント活性が惹起され、自然免疫系が活性化され、続いて獲得免疫が誘導されたためではないかと推測し、以下の結果を得た。(1)CpG+QRsP免疫を行ったものに比べると、弱いながらも腫瘍特異的なCTLが誘導された。(2)免疫終了後、マウスより採取した血清をQRsPと混合し、マウスの脾臓からMACSによって分離したNK細胞と共培養した結果、FSL-1+QRsP免疫を行ったものでは、細胞傷害活性が強く誘導された。(抗体依存性細胞傷害活性:ADCC)(3)マウスより脾臓細胞採取し、MACSを用いて免疫応答を抑制する制御性T細胞(Treg)およびeffector T細胞(Th細胞)を分離し、Tregの抑制活性を測定した結果、Tregの抑制活性は、FSL-1を加えることによって解除されることもわかった。 2、FSL-1単独免疫で腫瘍細胞の増殖が促進した理由 FSL-1単独で免疫を行った場合、末梢およびリンパ器官でのTregの割合が増加し、そこに腫瘍細胞を投与することで、腫瘍に対する免疫応答が抑制されてしまったのではないかと推測し、以下の結果を得た。(1)FSL-1単独免疫後、所属リンパ節においてCD4^+CD25^+Foxp3^+細胞の割合が優位に高いことがわかった。(2)マウスの脾臓よりMACSでTregを分離し、FSL-1、CpGおよびLPSで刺激すると、FSL-1でのみ増殖反応が見られた。(3)マウスにFSL-1免疫を行う際、anti-CD25抗体を投与した後にQRsPを接種すると、腫瘍の増殖は抑制された。
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