2007 Fiscal Year Annual Research Report
Hypoxiaに関わる新しい ER stress 経路の同定
Project/Area Number |
19592173
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佛坂 由可 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10244089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20300882)
片山 郁夫 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80295089)
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80284701)
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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Keywords | Hypoxia / ER stress / p35 protein / リボゾーム / 細胞死 |
Research Abstract |
低酸素分圧領域(Hypoxia)は、多くの癌に存在し、癌化、癌転移に重大な影響を与える。それは、Hypoxiaの癌細胞は、薬剤や放射線の抗ガン治療に抵抗性のため、癌の活性を上昇させ、癌転移を起こしやすい悪性度の高い癌になるためである。実際、頭頚部癌におけるHypoxiaの存在は、臨床的に癌治療予後を不良にし、患者の生存率を下げるとの報告がある。Hypoxiaの状態になると細胞内では、小胞体(Endoplasmic reticulum,ER)ストレスが起こり、幾つかのタンパク質の発現および活性上昇が小胞体ストレス応答として始まる。我々は、Hypoxiaによって発現が減少する、リボゾーム結合タンパク質(35kDa)の存在を見いだし、そのタンパク質(p35 protein)が小胞体ストレスによる転写抑制および細胞死に強く関係している可能性があると考えた。したがって、本研究では、このp35 proteinの同定とER stressに関わっている経路を探索してその役割を解析する事を目的とした。 平成19年度は、p35 proteinを同定する事と、Hypoxiaに対しp35 proteinのa)mRNAレベルb)蛋白質レベルc)細胞内局在の変化を解析し、Hypoxiaとp35 proteinとの発現との関係を調べることに目標を置いた。p35 proteinはαNAC(nascent polypeptide-associated complex)であると同定できた。αNACの抗体を使用して蛋白発現を見たところ、αNACはHypoxiaの時間経過とともにその蛋白発現量が減少している事が解り、2007年第48回日本歯科放射線学会にて発表を行った。現在さらにER stressに関わっている経路を探索中である。
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