2008 Fiscal Year Annual Research Report
RA滑膜細胞における活性酸素種産生と細胞死に対するミトコンドリアMnSODの効果
Project/Area Number |
19592175
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末永 重明 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00136889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 和男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60347094)
犬童 寛子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00301391)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60165701)
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Keywords | RA / 滑膜線維芽細胞 / ミトコンドリア / 活性酸素種 / 過酸化脂質 / 細胞死 / MnSOD siRNA / ELISA |
Research Abstract |
初年度に作製したMnSOD発現を抑制したRA滑膜線維芽細胞モデルを用い,酸化ストレスによるミトコンドリア活性酸素産生の増大や過酸化脂質産生,アポトーシス誘導に対するMnSODの効果について解明することを目的とした。さらに,ミトコンドリア障害に対するMnSODの効果と炎症活動性との関わりについて評価を行った。 材料と方法:RAの滑膜細胞を用い,サイトカイン刺激,無刺激下で培養した。細胞内のROSはHPF蛍光試薬,NOはDAF蛍光試薬により共焦点レーザー顕微鏡で観察を行った。過酸化脂質はHNE抗体法,アポトーシスはHoechst染色法にて検出した。細胞にミトコンドリア内superoxideを消去するMnSOD遺伝子のsiRNAを導入し,MnSOD量の変化とROS, NO産生,過酸化脂質,アポトーシスとの関連性を検討した。また,サイトカイン刺激および無刺激下で培養した上清を回収し,上清中に含まれるIL-6量をELISA法で測定した。 結果:1)RA滑膜細胞にMnSOD遺伝子のsiRNAを導入した群では,Control siRMを行った群に比較してサイトカイン刺激によりROS量が有意に増加した。また,細胞から発生するROSはミトコンドリア由来であることが示唆された。2)MnSODsiRNAにより,過酸化脂質産生やアポトーシスはサイトカイン刺激で有意に増加がみられたが,NO産生に対して影響は認められなかった。4)サイトカイン刺激により培養上清中のIL-6量は上昇し,ミトコンドリア由来活性酸素量の増大が炎症の活動性と関連することが示唆された。 結論:細胞にMnSODsiRNAの導入で,NO量は一定であるにもかかわらずミトコンドリアROS量が増大し,パーオキシナイトライト,過酸化脂質およびアポトーシスを増大させることにより,NO量とは別にミトコンドリアROS量の変化の重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)