2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線性下顎骨骨壊死の段階的外科治療における補助療法に関する研究
Project/Area Number |
19592176
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
青木 伸二郎 Yokohama City University, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50231759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 誠 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20347305)
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Keywords | 放射線性下顎骨骨壊死 / 外科治療 / nasolabial flap / 多血小板血漿 / レーザー血流計 / 低出力超音波パルス |
Research Abstract |
頭頸部癌放射線治療の合併症のひつである放射線性下顎骨骨壊死に対して、高圧酸素療法を用いない外科的治療による改善を目的として、その治療法と補助的治療法に関する臨床的・基礎的研究を行った。19年度に引続き、われわれが考案した骨内外の微小循環の改善することを重視した放射線性下顎骨骨壊死の段階的外科治療の成績を合わせて検討した。その第I段階の治療法として、放射線治療後の抜歯や壊死骨早期除去症例における口腔に露出した壊死骨除去表面をドレッシングする方法では、多血小板血漿(PRP)1mlとコラーゲン膜を用いた閉鎖により、壊死骨除去創を瘢痕治癒させることが可能であった。小動物における骨再生の実験により、PRPを利用した骨再生が、利用しない場合に比較して良好であることが示唆された。とくに毛細血管網の形成に有意な差が認められた。しかし、臨床では長期経過観察後に一時治癒した壊死骨除去の辺縁から骨壊死が再燃することが認められた。第II段階の治療法として、局所皮弁(nasolabial flap)に遷延法(delay法)を行い、血行が確保された皮弁移植によって、露出骨面を被覆する方法を行い、治癒率は87%であった。Delay法を行った皮弁の血流測定では平均して50%の血流上昇が確認され、皮弁の生着率が有意に改善していた。第III段階の治療法として、創外固定装置を一時的に使用してから、欠損骨の再建を行う方法での治癒率は80%であった。なお、壊死骨除去には超音波骨メスを使用した結果、効果的な除去が可能であることを証明した。これら3つの治療で改善しない症例に対して、骨内外の血流改善の補助的治療として、低周波超音波パルスを利用した研究を行った。口腔外から照射することで臨床症状の改善を認め、また、レーザー血流測定で、歯槽粘膜の血流が増加することが認められた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Human salivary gland stem/progenitor cells remain dormant even after irradiation.2009
Author(s)
Tateishi Y, Hirota M, Kishi T, Adachi M, Fukui T, Mitsudo K, Aoki S, Matsui Y, Oumura S, Taniguchi H, Tohnai I
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Journal Title
International Journal of Molecular Medicine (掲載確定印刷中)
Peer Reviewed
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