2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規アポトーシス制御因子GRIM -19の口腔癌細胞における機能解析
Project/Area Number |
19592178
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
森 一将 Meikai University, 歯学部, 助教 (80372902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 喜弘 明海大学, 歯学部, 教授 (50194311)
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Keywords | 口腔癌細胞 / GRIM-19 / STAT3 / アポトーシス |
Research Abstract |
インターフェロン(IFN)は、現在脳腫瘍や腎細胞癌などの固形癌やウィルス性肝炎の浴療薬として使用されているサイトカインである。従来からIFNによる抗腫瘍活性は、レチノイン酸(RA)により増強されることが報告されており、その実行因子としてGRIM-19(the genes-associated with retinoid-interferoninduced mrtality)が同定された。GRIM-19はEGFなどの成長因子のシグナル伝達に関与している転写因子STAT3(Signal Transducer and Activator of Transcription)と結合し、STAT3依存性遺伝子発現を抑制することにより、癌細胞の増殖およびアポトーシスを抑制すると考えられている。そこで今回我々は、GRIM-19の口腔癌細胞における発現ついて検討するためヒトロ腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2、HSC3、HSC4、Ca9-22)を用いてウェスタンブロット法にて検索した。Ca9-22細胞では構成的なGRIM-19の発現が強く認められたが、HSC-2、HSC-3細胞では発現は認められなかった。一方STAT3の発現はすべての細胞で認められたが、STAT3 Tyr705のリン酸化は他の細胞と比較しCa9-22細胞では減少していた。次に、Ca9-22細胞を抗GRIM-19抗体および抗STAT3抗体で染色したところ、主にGRIM-19とSTAT3は細胞質に局在していた。これらの結果から、構成的にGRIM-19の発現しているCa9-22細胞では、STAT3 Tyr705のリン酸化が抑制されていたことからGRIM-19がSTAT3の抑制因子として作用している可能性が考えられた。またGRIM-19の発現抑制あるいは過剰発現が口腔癌細胞の細胞増殖にどのような影響を及ぼすか検討するため、shRNAによるノックダウンおよび野生型GRIM-19の発現系をレンチウィルスベクターで作製し、GRIM-19欠損Ca9-22細胞およびGRIM-19強発現HSC-2細胞を作製した。現在これら細胞を用いて、GRIM-19の口腔癌細胞に対する機能的役割について検討中である。
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