2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規アポトーシス制御因子GRIM-19の口腔癌細胞における機能解析
Project/Area Number |
19592178
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
森 一将 Meikai University, 歯学部, 助教 (80372902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 喜弘 明海大学, 歯学部, 教授 (50194311)
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Keywords | 抗九九癌細胞 / GRIM-19 / STAT3 / アポトーシス |
Research Abstract |
IFNおよびretinoic acid(RA)によるアポトーシス誘導因子として同定されたGRIM-19は転写因子STAT3と結合することによりSTAT3依存的転写活性を抑制し、細胞増殖抑制やアポトーシスを誘導することが報告されている。そこで今回我々は、GRIM19の口腔癌細胞における発現動態および機能的役割について検討した。 まず始めに、口腔癌細胞においてGRIMI9が発現しているか否かを検討するために4種類の口腔癌細胞株(HSC-2、HSC-3, HSC-4, Ca9-22)を用い、ウェスタンブロット法によりGRIM19の発現を検討した。その結果、HSC-3, HSC-4, Ca9-22ではGRIM19の構成的な発現が認められたが、HSC-2では認められなかった。GRIM19は転写因子STAT3と結合してSTAT3の転写活性を抑制することが知られている。そこで、STAT3の発現をウェスタンブロット法にて検討した。その結果、構成的にGRIM19の発現しているCa9-22ではSTAT3の構成的発現が弱く、GRIM19の発現していないHSC-2ではSTAT3の構成的な発現が認められ、STAT3とGRIM19の発現に逆相関の関係が認められた。そこでGRIM19の構成的な発現が認められないHSC-2にGRIMI9を強制発現させ、STAT3の発現やSTAT3依存性遺伝子発現に及ぼす影響を検討するため、レンチウィルス発現ベクターを作製した。このレンチウィルスベクターをHSC-2に感染させ、GRIM19、STAT3の発現を検討したところ、興味深いことに、HSC-2は構成的なSTAT3のチロシン705(Tyr705)のリン酸化が認められるが、GRIM19の強発現によりその構成的なTyr705リン酸化が抑制された。この結果は、GRIM19の発現がSTAT3依存性の転写活性の抑制に関与している可能性を示唆している。現在、この発現系を用いて、GRIM19がSTAT3依存性遺伝子発現に影響するか否かについて検討中である。
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