2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミノチオール系防護剤による唾液腺の放射線障害の軽減
Project/Area Number |
19592184
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
那須 優則 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 准教授 (50130688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 扶佐子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60187896)
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Keywords | 顎下腺 / X線 / amifostine / 電顕オートラジオグラフィ |
Research Abstract |
実験群をamifostine非投与・非照射(A群),amifostine投与・非照射(B群),amifostine非投与・5Gy照射(C群),amifostine投与・5Gy照射(D群)とし,マウス顎下腺相当部に5GyのX線を照射する30分前にB群およびD群にamifostineを100mg/kg投与した。30日後の顎下腺腺房細胞の変化を組織像の観察,^3H-leucineを用いた光顕および電顕オートラジオグラフィ(LMARG,EMARG)により検討した。1.HE染色において,A群と比較しB群は一部に核の萎縮を認めたが,ほぼ同様の像を示した。D群は腺房細胞の委縮をみられたが,D群の変化はC群よりも弱かった。2.AZAN-Mallory染色によりC群は膠原線維がA群,B群,D群と比べC群で多く観察された。3.LMARGによる腺房細胞内の還元銀粒子数は,RI投与30分後で他の群に比べC群が低値を示した。4.微細形態においてA群と比較しB群は一部に空胞変性がみられた。C群は細胞全体のコントラストが強くなり,同様の像を呈した。粗面小胞体,ゴルジ装置,核などは強い形態変化を示した。D群は粗面小胞体やゴルジ装置の膨化が一部に観察されたが,ほぼA群と同様の像であった。5.EMARGにより細胞内の還元銀粒子数から粗面小胞体上の銀粒子数の割合はRI投与30分後、120分後ともに各群同程度の割合を示していた。ゴルジ装置上での120分後はA群と比較し,C群で高値を示した。分泌顆粒上では120分後にC群で低値を示した。 以上より顎下腺へのX線照射前の20mMのamifostine100mg/kg投与は,腺房細胞の萎縮,細胞内小器官の障害および腺房細胞の材料摂取から分泌顆粒合成までの時間の遅延を軽減させたことで,晩発障害である口腔乾燥症を軽減させる可能性が示唆された。
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