2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯根破折の歯内歯周分野からの原因追究-三次元光弾性試験による脆弱因子の解析-
Project/Area Number |
19592194
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 英昭 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (80168830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 秀美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (50005104)
佐々木 具文 東北大学, 病院, 助教 (40323034)
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
安倍 敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10222647)
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Keywords | 歯根破折 / 光弾性模型 / 応力解析 / マイクロCT / EPMA分析 |
Research Abstract |
研究の目的である「光弾性応力解析モデルの実験」では、歯根破折のモデルとして、近遠心・頬舌方向に各5度ずつ湾曲した歯根9種類を製作した。各模型について、荷重条件(荷重量-0N、19.6N、39.2N、58.8N、78.4N、98.0N、荷重位置-頬側・中心・舌側)を変えて、歯根周囲に現れる等色線カラーフリンジの変化を観察した。その結果、荷重位置の影響は頬舌方向の観察では顕著ではなく、近遠心方向の観察で違いが見られた。荷重量の変化では、荷重が増すにしたがってカラーフリンジの数が増加した。歯根湾曲の影響は、頬舌側からの観察では歯根中央のカラーフリンジに変化が見られ、荷重位置の違いによる観察ではさらに複雑なパターンを示した。これを近遠心方向から観察するとパターンの違いが明確であった。これらの結果から、咬合面からの応力は歯根形態や加圧部位によって変化し、根尖部に作用する力は複雑になり、根尖部からの歯根破折に関与していることが示唆された。「マイクロCTを用いたヒト象牙質の石灰化度測定」では、ヒト下顎前歯を用い、リン酸カリウムを標準としてスキャンした象牙質の石灰化度を比較した。その結果、歯根表面は歯髄に近い象牙質に比べ、石灰化度が高いことが分かった。また、「石灰化度と粘弾性」との関係について、pQCTと準静的ナノインデンテーション試験法を組み合わせて測定した。その結果、歯冠部の方が歯根部よりミネラル密度が濃く、貯蔵弾性率も歯冠部の方が歯根部よりも高い値であった。これによって、歯根部象牙質は歯冠部象牙質よりも剛性が低いために変形しやすく、粘性が高・いことが分かった。
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