2007 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴うエナメル質亀裂の発生原因の究明および予防と治療対策の確立
Project/Area Number |
19592195
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
児玉 臨麟 Niigata University, 医歯学系, 助教 (10272824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 明 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10143786)
福島 正義 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30156773)
興地 隆史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
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Keywords | エナメル質亀裂 / 高齢社会 / 審美障害 / 歯髄障害 / 早期予防 |
Research Abstract |
今年度における本研究では、エナメル質亀裂発生について、臨床調査を行い、発生原因、頻度、年齢あるいは修復物との関係、引き起こされる臨床症状等について検証を行った。 10代後半から80代までの男女患者計80名について探針、歯鏡そして歯科治療ユニートライトを利用してエナメル質亀裂歯の診査を行った。健全歯やレジンやメタルによる修復歯の亀裂の発生状況、歯髄症状や審美障害との関連性、歯質の破折などを調べた。 その結果、健全歯亀裂発生率は30代以降72%を超える高い値を示した。レジン修復歯の亀裂発生率は、20代で急激に増加し40代以降で100%に近い高い亀裂の発生率で認められた。メタルインレー修復歯は、レジン修復歯を比べて、亀裂の発生率が低いものの、健全歯を比べて、高かった。一方、金属修復歯の対合歯では、歯の磨耗や亀裂の高い発生率は、明らかである・歯髄症状について、年齢層の若い患者によく見られる一方、審美障害は、50代以後の年上の患者によく見られる。更に、バイトの低くなった患者は、肉眼で確認できる亀裂歯が多く歯周病による動揺歯或いは対合歯のない歯は逆に亀裂程度は軽かった。 このような調査結果から、永久歯萌出のまもない時期より口腔機能を重視し、咬合状態の観察、飲食などの際の口腔機能に関するアドバイス、早期診察や早期処置などの手段を講じる必要があると思われる。また、若年者において健全歯よりも修復歯の亀裂発生率が高いことから、う蝕予防が重要であることが示唆された。今後、亀裂歯について、病理、病態的検討や予防方法について研究を発展していく予定である。
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Research Products
(7 results)